GENtiArchitectsDESIGN モクジヘモドル
Vol.81
家の名前

2005.06.06
私達の事務所では、お施主様に家の名前をつけて頂いております。
ご希望によっては、僭越ながら私達が考えさせて頂くこともありますが・・・
名前は短いけれど、つけた人の家に対する思いや
考え方が一番伝わりやすいと思います。
お子さんの名前を家族で悩み、意見を出し合い、将来への希望も込めて、
つけられるのと同じ様に、家の名前も考えて頂ければと思っています。
昨年お引渡しした「和音堂さん」もご家族で悩んで頂きました。
和音:高さの異なる二つ以上の音が同時に響いた時に合成される音
古い物と新しい物、年齢、町並みなどなどが調和され、
友達など多くの人が集まる場所にしたい、和=和風、和み、調和・・・
その思いを受け止めて、一緒につくり上げていきました。
先週アップした進行物件の家の名前は、現在ご家族でお考え中です。
今ついている名前は「仮称」で、私達が今までのプラン打合せや
ご家族との会話などからイメージしてつけました。
風樂堂・・・音楽と自転車の好きなご家族、自転車で風を感じるように
      風の吹き抜ける家のイメージ
HILLTOP・・・池波正太郎が好きなご主人
      池波先生と聞いて私が最初に浮かんだのは「山の上ホテル」
      あのホテルの独特な静かで安らぐイメージも込めてつけました
ご家族でお名前が決定しましたら、またHP上でも更新いたします。

【先週の追記】
マイ・カホンを手にいいれました!
最初に叩いた曲はラジオから流れた「終わらない歌」でした
Vol.82
IHクッキング

2005.06.13
キッチンのIHはInduction Heatingの略で「電磁誘導加熱」のことを言います。
磁界発生用コイルで発生した磁力線が、鉄の鍋(磁性体)を通る時、
鍋底にうず電流が生じ、電流が流れると、鉄の電気抵抗のために鍋自体が発熱して
鍋の中のものが温められます。
メリットとしては、天板がフラットなので掃除がしやすい、油煙の巻上げが少ないので
換気扇や壁などが汚れにくい、燃焼に伴うCO2や水蒸気が発生しないので
部屋の空気がクリーン、熱効率が高いので調理時間が短い・・・など。
デメリットとしては、器具本体がガスコンロに比べ高いこと、
使用できる鍋が限られる事(最近は鍋を選ばないIHもあり)などが挙げられますが
自分が使っている経験やメリットを考えるとIHをお勧めする事が多いです。
先日、現在実施設計中の「HILLTOP」のご主人に、IHクッキングヒーターについて
「チャーハンの鍋は、いつもどうやってふっているの?」「魚の焼き具合はどう?」
などなど、使い勝手についてご質問がありました。
食通で知られる池波正太郎氏のファンと言うだけあって、
このご主人、料理好きでよくお手製料理をご馳走になります。また、これが美味しいのです!
ならば、実際使って頂こうと昨晩、事務所にお越し頂き腕をふるって頂きました。
材料持参で、メニューは火力が料理のポイントとなる
チャーハンと青椒肉絲、そして厚焼き玉子。いつもながら、美味しく楽しく頂きました!
やはりガスの調理の感覚は異なりますので、私は慣れるまでに半月位掛かりましたが
「HILLTOP」のご主人、奥様にご感想をお聞きしました所、
「真ん中が特に加熱するんだ」「これなら使っていれば慣れてくる」
と、新しい家はIHクッキングヒーターになりそうです。

魚は今まで通り、七輪で焼くという事で・・・。
Vol.83
よくある質問

2005.06.20
よくお聞きする質問・疑問を、以前「ニューハウス」に書いた記事から抜粋します。
Q・
建築家に依頼した場合、設計監理料は工事費の10〜15%が相場と聞いていますが
この料金はいつ支払うのでしょうか?もし途中で断った場合は?交通費は?
A・
設計監理契約は建主と設計事務所の間で結びますが、いきなり契約という訳ではなく
企画案をいくつか提出し、お互いの信頼関係が出来た所で契約となります。
その契約もプラン作成段階の基本設計前なのか、プラン確定後の実施設計前なのか
設計事務所によって違うので、最初のアクセス時に次の点を聞いておきましょう。
@設計監理料の目安A契約時期B料金の支払方法や時期Cいつから費用は発生するのか
途中で断る場合進み具合により、模型製作やパース代を実費で頂くこともあります。
また遠方の場合、交通費を実費精算する事もあります。
Q・
コストダウンの一つの方法に2階の床材と1階の天井を兼ねるとよいと聞きましたが
2階からの音は気にならないのでしょうか?また強度は大丈夫?
A・
2階の床材と1階の天井を兼ねる事は
工事工程が省け、コストダウンになります。
梁の大きさとピッチ、床板の厚さを考慮すれば、強度的に問題ありません。
気になるのは音の問題。1階に天井裏がある場合に比べて音は伝わり易いです。
また照明器具の配線等隠す場所がないので、取り付けに関して工夫が必要になります。
2階の床を二重床にして、その間に吸音材と配線をする方法もありますが
天井を張るのと同様コストは掛かります。2階を小さな子供のいる部屋や
音の出る部屋を避け、デメリットを最小限に抑える配置にする事で、
高い天井や梁と天井材の見せ方で、自然素材溢れる空間を楽しむ事も出来ます。
Q・
隣家の音やニオイが気になる住宅密集地に建つ我が家。室外機置き場など
気を配らなければならない所が沢山ありそう。どんな所に注意したらいいのでしょう?
A・
家族にとっても周囲の人たちにとっても、快適に過ごすには間取りが重要なポイント。
まず隣家の窓や換気扇、給湯器や室外機の位置を確認しましょう。
それらと平面上なるべく重ならない位置に窓を配します。どうしても重なる場合、
高窓や地窓にするなど通風の為のみとし、他から光を採り入れる方法を考えます。
また接近している側には、リビングや個室など大きな窓のほしい部屋ではなく
納戸や浴室を配置して窓の大きさを抑えます。
そして自分の家でも出来る限り、給湯器や室外機など熱や音の出るものは、
隣家の迷惑にならない位置に配しましょう。家自体だけでなく、
周囲とのコミュニケーションも快適性の大きな要因の一つですから。
【ニューハウス2005年1月号・家づくりの「困った」に答えます!】より
Vol.84
椅子

2005.06.27
「土間には絶対Yチェアにしよう!」これが家を建てる時に二人で決めていた事でした。
学生の頃から欲しいと思っていたYチェアの正式名称は「デコラティブチェア」
木材を生かした美しい椅子をつくる事で有名なデンマークの大御所、
ハンス・J・ウェグナーの作品です。
シンプルなんだけど存在感があり、形だけでなく座り心地の良いこの椅子。
中国の僧侶が使う「曲ろく」からヒントを得たそうです。
この他にも欲しい椅子はいっぱいあります。
事務チェアならVitra社の「AC−1」。背面のフォルムがかっこいい。
イームズならシェルチェアの脚がロッキングタイプの「RSR」か、
小林賢太郎が座り心地が良すぎて仕事にならないと言っていた「LCW」
吹抜けに吊るしたいアクリルのボール型の「バブルチェア」。
襟を正して座りたいのはマリオ・ベリーニの革の「キャブ」。
もう少し現実的に手が届きそうな範囲では、「ニーチェアX」でしょうか。
「安くて丈夫で座りやすく、どこにでも置けて折り畳める。
食べ物で言うとライスカレーのような椅子を作りたかった」という
新居猛氏の名作は、ニューヨーク近代美術館永久コレクションになっています。
製作年は1970年と私と同級生ですが、古さを感じさせない所が良いですね。
もちろんオットマンつきで欲しいです。
最近良いなあと思った椅子は、ノルウェーの芸大生の作品「ブック」です。
その名の通り本の形をしていて、ページの部分がクッション地になっています。
布地は複数枚あり、好きな所で開き、片側を折って枕にする事もOK。
図書館に備えたいという問い合わせが多いそうです(納得!)
残念ながら商品化になっていないようですが・・・
Vol.85
じーしがーみ

2005.07.04
先週、我が家の風除室に「じーしがーみ」がやって来ました。
これは沖縄の伝統的な骨壷で、洗骨した後に骨を入れる陶器です。
じーしがーみ(厨子甕)には壺型と御殿(うどぅん)型とがあるそうで、
頂いたものは後者で巾は約40cm、高さは約80cm、
蓋は屋根のような形で家と同じくシーサーが配されています。
このじーじがーみ、恩師である大江新先生の大学の教授室にあったものです。
先生から譲り受け、今はトヨゾウと共に我が家の守り神となりました。
お礼と共に、早速風除室に置いた写真を先生へメールし、
昨日お返事を頂きました・・・
「轟さん:
 どうもありがとう。瀟酒な一画にうまく納まりましたね。
 先週まで、僕の机の脇で埃をかぶっていたのがうそのようです。
 横のガラス戸は出入りで開閉するのでしょうか。
 そうでなければ、少し大きめの砂利でも敷いて置いたら
 一層カッコよく見えそうですね。
 それではまた。」
横のガラスはFIXなので、黒の那智石を買って来ようと思います。
先生有難うございました!
Vol.86
角波ガルバリウム鋼板

2005.07.11
7月も駆け足で過ぎそうな毎日の中、現在進行している現場の
小布施の「格子の家」も松本市の「みんなで本を読む家」も佳境に入ってきました。
野球で言うとラッキーセブンの7回裏というところでしょうか。
両方の家とも、外壁材に角波ガルバリウム鋼板を使っていますが、
全く異なった雰囲気を醸し出す事が出来ました。
「格子の家」では町並みを意識した和をイメージさせる濃いグレー色に土壁風の左官仕上、
「みんなで本を読む家」では爽やかさと軽快さを感じる様に、紺色と白壁の
主張しすぎないコントラストを表現しました。
住まわれる家族の数だけ、家の「カラー」をつくる事が出来れば嬉しいです。
ガルバリウム鋼板は1972年にアメリカのベツレヘムスチール社によって開発された
溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板で、

溶融亜鉛めっき鋼板(俗にトタン板と呼ばれる)の3〜6倍以上の耐久力を持っており、
角スパンドレル形状や目地なし形状に加工されたものを好んで使っています。
耐候性も高く比較的安価な所も魅力的です。
店舗などでも使用されており、金属金属した冷たい質感が好みの分かれる所ですが、
木との組合せや素材の違い等で色々な「カラー」になります。
昨年竣工した「T&U住宅」さん「和音堂」さんでもシルバーの素地で使いましたが、
それぞれ全く違った、「温かさ」を出す事が出来たと思います。
8月・9月にオープンハウスを開催する予定です。
日程が決まりましたら、またHPに掲載いたしますので、お楽しみに!
Vol.87
格子

2005.07.18
「格子」を辞書でひくと
〔「かくし」の転〕
(1)細い角材や竹などをたてよこにすき間をあけて組んだもの。
 建具・天井・手すりなどに用いる。また、転じて碁盤の目状になっているもの。
(2)「格子縞(じま)」の略。
(3)「格子戸」の略。
(4)「結晶(けつしよう)格子」のこと。
(5)「回折(かいせつ)格子」のこと。
(6)〔電〕 グリッドに同じ。
(7)寝殿造りの建具の一。「蔀(しとみ)」に同じ。「―どもも人はなくしてあきぬ/竹取」
格子は色々な顔を見せてくれます。先週、小布施の進行現場で格子がつきました。
塗装前の色々なショットをどうぞ・・・
Vol.88
引越し

2005.07.25
昨日、1階の土間から2階のフリールームへ引越ししました。
まずは本やカタログを運び、パソコンやプリンターを外しデスクを2階へ。
当初レイアウト図面を作成したものの、デスクの向きをああでもない、こうでもないと
色々な方向へ動かし、ようやく配置が決定し、機器類も移動。
本棚も2階へ運ぶ予定でしたが、中古で買ったスウェーデンのEFG製の本棚は重い!
・・・という事で断念しました。
汗だくになりながら事務所部分はようやく片付き、今度は空いた土間へ。
吹抜け部分に長テーブル、玄関を入った正面に黄色いソファという
最初のスタイルに戻す予定でしたが、また二人で喧喧囂囂話し合った結果、
試しに土間の中央にソファを置いてみては?となり、
写真の様な形にひとまず落ち着きました。
何故この時期に大規模な引越しをしたかと言いますと、
実は念願のプロジェクター(中古ですが・・・)をゲット!したからなのです。
住宅の打合せに使用するのは勿論、東側の壁をスクリーンにして
映画やスポーツを楽しむ事が出来ます。
真ん中のソファに寝転びながら・・・只今、ソファの争奪戦中です。
Vol.89
ブラスト!

2005.08.01
先週、まつもと市民芸術館へ「blast ブラスト!」の
東京での本公演直前のプレビュー公演を見に行きました。
ブラストは、ブラスバンドパフォーマンスで、12種類以上の金管楽器と
51種類以上のパーカッションが使われ、旗などを巧みに使う
ビジュアル・アンサンブルが加わり、パフォーマー達が絶えず動き回り、
各シーンにイエロー、レッド、バイオレット・・・という様に
テーマカラーがあり、視覚と聴覚で楽しませてくれ
ます。
ロンドンやブロードウェイでも大好評で、トニー賞やエミー賞にも輝いています。
アメリカの南北戦争に起源をもつといわれる伝統的なドラム・コーを
ショー・アップした全く新しいエンターテイメントです。
全米からオーディションで勝ち抜いた精鋭メンバーの中の唯一の日本人も大活躍。
舞台所狭しとパフォーマーが駆け巡り、まさに「ブラスト=爆発」。
公演を見に行く数日前の新聞に、まつもと市民芸術館の市の負担をめぐり
支出削減か積極活用か、賛否両論と載っていました。
無駄に税金が使われる事は避けるべきですが、収支の数字だけにとらわれず、
身近に触れる事の出来る「芸術」が子供たちに与える影響も少なくないと思います。
この「ブラスト!」にも夏休み初日とあって、多くの小中校生が見に来ていました。
私が生まれて初めて見た舞台は、三百人劇場で見た「おばけりんご」でした。
幼稚園生か小学校低学年だったので、話の内容は憶えていませが、
色彩とか雰囲気とか、なんとなく心に焼き付いています。
地方では、東京のように色々な面白い公演や舞台が行われる機会が少ないです。
まつもと市民芸術館は、他の地方都市よりも恵まれた公演が多いように思われます。
話は戻って・・・松本でもブラスト!の9月半ばの本公演は、
もう1度見たい!気持ちでいっぱいなのですが、残念ながら完売だそうです
悔しいから、家でブラスト!のDVDを見ながら、
カホンを叩き、メンバーの一員になろうと思っている私です。

Vol.90
丸窓

2005.08.08
我が家の丸窓は、外観上のアクセントが大きな役割ですが、
室内でも色々な顔を見せてくれます。
季節や時間、天気によって、様々な表情があり、我が家では一種の日時計のような存在です。

来月竣工の「みんなで本を読む家」の丸窓は、どんな顔を見せてくれるか楽しみです。
あの丸窓の下で読みたい本は・・・私だったら今読みかけの「ダビンチコード」でしょうか。

Vol.91
初めての信州

2005.08.15

私が初めて信州を訪れたのは、高校2年生の夏休みでした。
クラスメイト3人で、友達同士の初旅行に選んだのは、憧れの(?)軽井沢でした。
お決まりの旧軽銀座でショッピングし、3人乗りの自転車で別荘地をサイクリング。
旧三笠ホテルや軽井沢聖パウロカトリック教会など
風景にとけ込んでいる建物に、自然に引き込まれていきました。
宿泊したのは、軽井沢から電車で30分、そこから車で30分ほど行った
友人の一人のおばあちゃんの家でした。
翌日はバスで白樺湖に行こうと思ったのですが、2時間に1本のバスに乗り遅れ、
ヒッチハイクで美ヶ原美術館へ行きました。
すっごく長閑な所にカルチャーショックを憶えました。
私の住んでいた市川市もちょっと行けば梨畑が広がっている長閑な所でしたが、
こんなにも自然に近い所に、「どうやって暮らしているのだろう」と
東京大好きだった高校生の私は、素朴な疑問を抱きました。
その5年後、大学を出たときに信州に住む事を決意したのですが、
あの時には考えられなかったかもしれません。
今は信州を満喫していますが・・・
先日、別のクラスメイトがご夫婦で嬬恋に来ると言う事でお招きに預かりました。
高校を卒業してから数回しか会っていなかった友達と、
緑に囲まれたテラスでワイン片手に、美味しいステーキとブルケッタを味わいながら、
担任のナンバちゃんの事や、1969年生まれで良かったなんて話で盛り上がるとは、
本当に20年前の私には想像出来ない楽しい一夜でした。

Vol.92
横笛

2005.08.22

昨日の大安、今月末着工する「HillTop」さんの地鎮祭が執り行われました。
地鎮祭が始まると、何処からともなく笛の音が・・・
ふと前の神主さんを見ると、厳かに横笛を吹いていました。
今まで何軒も地鎮祭を見てきましたが、横笛の生演奏は初めての事で
その音色に聞き入ってしまいました。
神社によって地鎮祭の式次第も若干異なりますが、
土地の守護神様に無事完成と家内安全を祈願する気持ちは同じです。
終了後、お施主様ともその話になったのですが、
「結婚式の時の雅楽の演奏を思い出すね」と奥様。
なんて素敵な結婚式なんだろう・・・私達のメキシコダンサーとは違う!
と思いながらも、節目節目に横笛が出てきた事に素敵な偶然を感じてしまいました。
横笛と言ったら、今年の夏、お盆にも聞いていたのです。
先日、野沢温泉村でまったりとした一日を過ごしてきました。
その日はちょうど「中尾のお祭り」の日で、野沢に住んでいる友人が
青年会のみんなと横笛を吹いていたのですが、
ソロ部門もあり、かなり練習したらしく、その甲斐あって美しい響きでした。
地区のお祭りでしたが野沢らしく「火」の演出もあり賑々しく、村の活気が溢れていました。
野沢温泉は初めて行ったのですが、村にある13の公共浴場が無料という事に
大変驚き、その地区その地区で温泉を守り続けている事に感動!
ちょっと熱めのお湯ですが、浴槽のお湯をわる水もぬるい温泉らしいです。
この夏の2回の横笛の生演奏、場面は全然違いますが、
それぞれの家族、人々の明るい未来を見ているようでした。

Vol.93
小布施オープンハウス

2005.08.29

昨日・一昨日、小布施のオール電化住宅「格子の家」の完成見学会に
お忙しい中、沢山の方々にお越し頂き、本当に有難うございました。
近くHP上でもアップする予定ですので、お楽しみに!
来月17日(土)、松本市内「みんなで本を読む家」において
オープンハウスを開催する予定ですので、また是非お越し下さい。

Vol.94
エコキュート

2005.09.05

小布施のオール電化住宅「格子の家」でも採用しました「エコキュート」、
「空気でお湯を沸かす」のフレーズのテレビCMでもお馴染みかもしれません。
でも実際どんな仕組み?というご質問を見学会でも多く耳にしましたので
以前ニューハウスに書いた記事から抜粋します。
【ヒートポンプ式給湯機エコキュート】
正式には「自然冷媒(CO2)ヒートポンプ式給湯機」といいます。
ヒートポンプ(heatpump)とは、大気中の熱を利用してお湯を沸かすシステムで
電気温水器のような貯湯タンクユニットと、エアコンの室外機のような
ヒートポンプユニットで構成されます。
ファンで空気の中から熱を吸収し、空気用の熱交換器に大気熱を集め、冷媒に熱を伝えます。
熱をもった冷媒をコンプレッサーで圧縮するとさらに高温になり、
その熱を水加熱用の熱交換器で水に伝え、お湯をつくり、
熱を失った冷媒を膨張させ再び空気用の熱交換器へ。空気の熱を吸収しやすくします。
フロンを使用しないので、オゾン破壊係数ゼロ、地球温暖化係数は
フロン系冷媒の1/1700、またエネルギー消費効率も高く、
給湯エネルギー消費量も低減できるため、燃焼系給湯器に比べCO2排出量が
大幅に削減でき、クリーンで安全です。
浴槽お風呂の追い焚きタイプ、高圧力タイプなど、
暮しに合わせて様々なタイプが揃い、タンクの容量も選べます。
ただ設置するにあたって一番の問題は、本体価格が高いこと。
タイプにもよりますが、ガス給湯器など従来型給湯器の約2倍です。
しかし給湯光熱費の差額は、標準的な4人家族のご家庭で
年間6万円(契約方法・使用方法にもよります)
長い目で見れば、本体価格の差額は埋るのではないでしょうか。
またエコキュートは発売されて約4年と実績が少ない事が不安材料になりますが
燃焼部分がない事から、電気温水器と同じ位の耐用年数があると言われています。
ほかに気になる所で、エアコン同様、ヒートポンプユニットの運転音がしますが
約38dbですから、基本的には気にならない程度です。
しかし深夜に作動する事が多いので、設置場所には近所への配慮が必要です。
【ニューハウス2005年5月号・「オール電化」のホントのところ!】より

Vol.95
グレの歌

2005.09.12

先週の木曜日、夏の恒例となった「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」の
今年最後のプログラム・シェーンベルク「グレの歌」を観劇しました。
5人の独唱者と約100人の合唱団、そしてオーケストラからなる
セミ・ステージ式のスタイルは、昨年の「ヴォツェック」の華やかさはありませんが
最後の合唱は衣装といい、照明といい、声の迫力といい、圧巻でした。
中世デンマークの伝説、グレ城でのワイデマール王と乙女トーヴェの悲恋を描いた
ストーリーが分かりやすかった事も楽しむ事が出来た一因かもしれません。
この「グレの歌」は3部に分けられていますが、第一部と第二部、第三部の大部分が
1900年3月ウィーンで、それから何度かの中断があり、
結局完成したのは1911年11月のことでした。
中間に長い休止があったので、シェーンベルグ自身も言っている様に、
第一、第二部と第三部との間には様式の変化があったそうです。
今回3階バルコニーの一番前の席は、オーケストラの方々も見下ろすような席で
小澤征爾氏の指揮の迫力も伝わってきました。
また、新しい個性でクラシック界に新風を起こしている大人気のチェリストも
バッチリ見る事が出来ました!ちょっとミーハーかもしれません・・・

Vol.96
本を読む家

2005.09.19

17日の「みんなで本を読む家」完成見学会にお忙しい中、
多くの方に御足労頂き、本当に有難うございました。
折角お越し頂いたのにゆっくりとお話し出来なかった方々、申し訳ありませんでした。
また、小布施の家と対照的な今回の家をご覧頂く事が出来ました事、嬉しく思います。
近くホームページにもアップ致しますので、宜しくお願い申し上げます。
読書コーナーをあえて家の中心にもってきた「みんなで本を読む家」は、
この造り付けソファのある空間で読書を楽しむもよし、
リビングで読書コーナーとの段差にもたれかかって楽しむもよし、
丸窓の下にすっぽり閉じこもりながら楽しむもよし、
グレーチングに座り本棚で本を探しながら楽しむもよし・・・
色々な場所で、沢山の本に囲まれて、時には気分を変えて。
色々な本を読んで、好きな作家に巡り合う事も一つの楽しみだと思います。
私は中学生の頃、たまたま家にあった阿刀田高さんの小説を読み、
一目惚れの様にのめりこんでいった時期もありました。
ミステリーやブラックユーモアでのショートショートの名手と言われていますが、
私が好きなのは「○○○を知っていますか」シリーズや
「詭弁の話術」「魚の小骨」「食卓はいつもミステリー」などのエッセイです。
ユーモアとウイットに富み、独特の切口が大好きです。
最近はまっている作家は元ミュージシャンですが、
18
年前にヒロシマピースコンサートで初めて彼を見た時には、
10
代の私にはちょっと「重い」歌詞が、どうも好きになれませんでした。
しかし、作家転向後の芥川賞をとった「海峡の光」を読んで以来、
自分に似た面を感じ、好きな作家の一人になりました。
これから「みんなで本を読む」は、どんな作家さん達と巡り合っていくのでしょうか。

Vol.97
アイビー

2005.09.26

「みんなで本を読む家」の玄関のアプローチを飾る植栽枡には
グランドカバーにもなるアイビーを選びました。
アイビーは、ウコギ科、学名:ヘデラ(属名)、別名:セイヨウキヅタ(西洋木蔦)、
原産地は、ヨーロッパ、北アフリカ、アジアです。
現在、450を越える品種が欧米のアイビー協会に登録されており、
最近20年間で100品種余りの新顔が登場しているそうです。
アイビーでまず最初に思いつくのは、甲子園のツタかも知れません。
甲子園の壁を畳8000枚分の面積が覆っています。
これは東洋キヅタと呼ばれ、アメリカではジャパニーズ・アイビーとか
ボストン・アイビーと言います。
甲子園が完成した大正13年の冬に植栽されました。
阪神の優勝を今年もいれて何回見守ってきたのでしょうか・・・
またアイビーは、しっかりと木やものにしっかりとつかまり、
離れないようにくっつきながら成長するということで
”ずっと離れない”という意味で結婚式ではよく用いられる縁起の良いものとされています。
そしてアイビーは、魔物や雷などからも家を守ってくれるという
「家の守り神」としても言い伝えられています。
「みんなで本を読む家」の守り神の意味も込めて玄関に配しました。

Vol.98
ランチ

2005.10.03

よくお施主さんに「ちゃんと食べてる?」と心配されます。
今にも倒れそうな体系だから・・・と言いたい所ですが、むしろ逆です。
それは、皆さんが私達の「その日暮らし」の生活スタイルを知っているからです。
その日に食べるものはその日に買う!という主義?ですので
買い物に行く事が出来ないと、家に余分な食料は殆どないのです。
なので今週は、この1週間のランチメニューをご披露します。
月曜日・・・レンコンと豚ヒキの甘辛そぼろ+味噌汁+ご飯
火曜日・・・イナダの塩焼き+具沢山味噌汁+ご飯
水曜日・・・イクラ丼(前の日に生のスジコから醤油漬けにしました)
木曜日・・・近所のガルガで、ランチカレー
金曜日・・・昨日のカレーを忘れられず、チキンカレー
土曜日・・・阪神優勝セールで買ったカップラーメン
日曜日・・・夏の残りの素麺
基本的には事務所兼自宅での食事が多いのですが、
こうやって改めてみると、週の初めにゆとりを感じます。
後半は食生活を見ても慌しいですね。食事は生活の基本です。
今週は一週間通して、ちゃんと食事をとりたいと思います。
先週、友人のブログで「草間やよってきました」話しが載っていました。
気がつくと今週末で、松本市美術館の草間弥生展、終わってしまいます。
7月の終わりから始まっていたのでいつでも行ける・・・と高を括っていました。
今週こそは・・・また今週の目標が出来てしまいました。

Vol.99
生JAZZ

2005.10.10

先週、あがたの森講堂ホールでジャズのライブへ友人に誘われ行って来ました。
ヴォーカルのTOKUさんは、スモーキーな声の持ち主で
フリューゲルホーンの奏者でもあり、若手実力派と言われています。
その噂に違わぬ生の歌声は、甘いマスク以上に皆を酔わせていました。
ホンダ「オデッセイ」のCMソングだった「DO-RE-MI(ドレミの歌)」を聞くと
ああっ!と思い出す人も多いんではないでしょうか。
あがたの森講堂もまたライブハウスとは違った、素敵な雰囲気を醸し出していました。
「音もナチュラルな感じ・・・」とTOKUさんも絶賛!
この講堂は、大正時代に建てられた旧制松本高等学校の校舎で
西洋建築様式を簡略化して応用した木造洋風建築です。
大正ロマンを感じる室内でジャズを聴く・・・何とも贅沢です。
これで琥珀色のデンキブラン片手に、
大正時代の曲線が美しい曲げ椅子に腰を掛け・・・なら言う事ありません!
ジャズを生で聞くのは初めての事でした。哀愁をちょっと感じるジャズを聴くと、
映画「死刑台のエレベーター」をまたじっくり観たくなります。
ふと思い出したのが、高校1年生の時のクラスメイト。
80年代のバンドブームだった時代、いつも腰にドラムのスティックをさし、
暇さえあると机をドラム代わりに叩いていました。
彼は今何をしているんだろう、今でも会社の机を叩いているのかなあ・・・
フリューゲルホーンの切ない音で、ちょっと昔を思い出しました。

Vol.100
ひなたぼっこ


2005.10.17

とても可愛い(と言ったら失礼かもしれませんが・・・)おばあちゃんに会いました。
お豆を煮るのが上手で、おじいちゃんの仏壇にいっつも話しかけていて、
ニコニコしゃべる姿を見ていて、昨年亡くなった祖母を思い出しました。
義理の祖母にあたりますが、とてもかわいがってくれて、
陽のあたる縁側やお炬燵で色々な話しを聞かせてくれました。
戦時中、数回しか会った事のない人(素敵なおじいちゃんです)と祝言をあげ、
そのまま戦争で離れ離れになり、終戦後長野駅へ迎えに行った時、
顔が分からず、すれ違ってしまった話しや静岡へ旅行へ行った時、信州と違った温暖な気候に
「みかんのとれる所は楽園だよ」って教えてくれたり、
ウリの粕漬けや茄子のおやき、にらせんべいを作ってくれたり・・・
もっと長生きして、一緒にひなたぼっこしたかったです。
この間読んだエッセイにこう書いてありました。
「・・・急いで行ってしまった人の分、僕は少しでも長く生きて君を記憶するね。
 それが残されたものの役目なんだから」
少し楽になった気がしました。
今日も現場の縁側で「ひなたぼっこ」しました。おばあちゃんが見ていてくれる気がします。

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