GENtiArchitectsDESIGN モクジヘモドル
Vol.401
漆喰【しっくい】

2011.08.08
先週に引き続き、「Kurakulove(蔵クラブ)」です。

石灰(消石灰・貝灰)に麻ずさと糊を混ぜて、水で練り合わせた日本独特の左官材料の事。
日本壁の内部、外部に塗られ、空気に触れて乾燥することで硬化し、
元の石灰岩と同じ炭酸石灰(CaCO3(+H2O))となり、硬い皮膜をつくります。
ちなみに貝灰は、カキやアサリなどの貝殻を焼いてつくる石灰のことです。
松本市中町通りの蔵は、白漆喰に海鼠壁のコントラストが絵になっていますが、
この漆喰に、赤色のベンガラや酸化黄などの顔料や灰墨を混ぜて着色したものを「色漆喰」、
漆喰上塗りの上にきめ細かい仕上げ用の漆喰に松煙(しょうえん)や灰墨などに
紙ずさを加え黒く着色した黒ノロを塗って仕上げる「黒漆喰」もあります。
大好きな町の一つである埼玉県川越市の町並みの、黒漆喰に豪華な屋根瓦も迫力があります。
白漆喰の蔵の、あの豆腐のような仕上げは「漆喰磨き仕上げ」です。
何故、豆腐・・・と言ったかというと、我が事務所の道路面の出っ張り部分を
左官屋さんが仕上げる時、「豆腐みたいにいきたいねえ」と言ったからです。
漆喰を上塗りして押さえて上に、漆喰ノロを塗り、鏝や手で押さえて表面を平滑にする事で
鏡のような肌に仕上げる工法です。
押さえ仕上げに比べて美観に優れる上、耐久性や耐水性も向上します。
漆喰と聞いて「蔵」以外に思い出すのが、
アラン・パーカー監督デビュー作「ダウンタウン物語」です。
出演者がみな子供のギャング・ミュージカル映画ですが、禁酒時代のニューヨークが舞台。
子供達の持つマシンガンからは弾丸でなく、漆喰が発射され、
漆喰が当たったら死んだことになります。
情婦役の14歳のジョディー・フォスターの何とも色っぽい事!今の私でも敵いません(笑)
DVDも発売されたようなので、久々に見たい1本です。
話しは又違う方向へ行きましたが・・・次回は「漆喰-パート2」についてのおはなしです。
Vol.402
漆喰【しっくい】
Vol.02

2011.08.1
先週、先々週に引き続き、「Kurakulove(蔵クラブ)」です。
漆喰の下地には、伝統的な小舞下地や細板を隙間を空けて柱に釘で打ち付ける木摺り下地、
現在住宅等で多く使われている石膏ボード下地などがあります。
下図は、古くから行われてきた竹小舞下地です。
壁を付ける柱や梁、土台に一定間隔に小穴を掘り込み、
そこに篠竹などを縦横に差し込み、さらにその間に真竹の割ったものを渡し
藁縄などで留め、格子状に組みます。
竹以外にも、木材やヨシが使われることもあります。
これに荒壁土を塗りつけ、その上に底埋め塗り、中塗り、仕上げと塗り重ねて行いきます。
最近は工場生産された釘止めの竹小舞も販売されており、
柱間の間隔が同じ真壁の建物には工期短縮の利点があります。
竹小舞の下地は少なくなってきましたが、植物素材は土となじみがよく、
耐久性のある安定した土壁が出来ます。
貫が薄い場合は、貫の暴れがそのまま壁の故障につながるので、
節材などは避けて使用した方が良いです。


尾道や臼杵市など、漆喰の美しい町並みを映画に盛り込んだと言えば、大林宣彦監督。
久々に大林映画で、ノスタルジックな気分に浸ってみたいなあと思います。
きっと10代に観た頃とは違う視点で観ることが出来る様な気がします。
次回は・・・と続いていたのですが、
6年前の「
Kurakulove」の連載はここで終わってしまいました。あしからず。
Vol.403
Facebook

2011.08.22
Facebookを始めて5ヶ月。
まだまだ分からない事だらけで、プライベート以外での情報発信はあまりないのですが、
最近チョコチョコと友人の近況にコメントしたり、写真をアップしたりと、少しずつのぞき始めています。
使い始めてみると、なかなか面白いシロモノ。
懐かしい友人に再会できたり、海外で暮らす友人の近況を知る事が出来たり、兄と交信してみたり・・・
先日、友人のスレッドから始まった会話から、3家族でのホームパーティーに発展し、一泊させていただく事になりました。
友人のご主人にお会いするのは2度目。話も盛り上がり、最近Facebookを始めたご主人とも友人に。
翌朝、爽やかな風が吹き抜ける庭で朝食をいただいていた時、その庭にデッキをつくる計画にまで発展。
この集まりのきっかけは、スレッドの発言から・・・と考えると、不思議です(充分楽しませていただきました)
インターネットなんて考えられなかった高校時代、
当時最先端のパソコン通信(パソコンを持っていることも珍しい)をしていた友人に、
どういう仕組み?とか、どうやって通信するの?と聞きまくっていましたが、時代は進んでいます。
Facebook、源池設計室の情報発信も出来たらなあと思う今日この頃です。
Vol.404
家族のスリッパ

2011.08.29
昨日、お引渡しから8ヶ月の「北原町の家」さんへおじゃましました。
玄関収納の横にある「家族のスリッパ」スペースに並べられたスリッパを見ていたら
あったかい気持ちになったので、個人的に楽しみにしているブログのポエマーKKに倣い、ポエムってみました。


ぼくのスリッパはきいろいクマ
おとうさんのスリッパは 大きなサイズ
ぼくがはくとブカブカ
おばあちゃんのスリッパは ぬのぞうりと言うらしい
おかあさんのスリッパは はたらきもの
おじいちゃんのスリッパは すべらない
おねえちゃんのスリッパは
いつもどこかへいっている

みんなが出掛けると
スリッパたちはおうちに帰る
みんなの帰りをまちながら
Vol.405
ラ・カスタ
ナチュラル
ヒーリング
ガーデン


2011.09.05
先日、大町市の「ラ・カスタ ナチュラルヒーリングガーデン」へ行ってきました。
「心とからだを元気に美しく」をテーマにした五感で感じる“美と癒し”のガーデンで、
約3300坪の園内には、低木類100種3,000本、高木類150種650本、地被類10,000本が植栽されているそうです。
また季節ごとの花々を楽しむ事も出来ます。まだ夏の気配が残り、緑が鮮やかでした。
「香りの手づくり体験工房」では、好みのエッセンシャルオイルをブレンドした「フレグランスミスト」をつくりました!
オレンジをベースに、ペパーミント2滴、グレープフルーツ3適、ローズマリー3滴、ティートゥリー5滴、
ユーカリ5滴、ローズ2滴のオリジナルは、爽やかな香りです。
Vol.406
さしすせそ

2011.09.12
「さしすせそ」、皆さんはどこに置いているのでしょうか。
「さ」砂糖、「し」塩、「す」酢、「せ」醤油、「そ」味噌。毎日の料理に欠かせない調味料。
住宅計画中のお客さんと、キッチン廻りの打合せ中、送ってくださった今お使いの「さしすせ」の写真。

新しい家では、どこに納まるのが使い勝手がいいか?見た所は?
加熱調理器の横には、一升瓶と細かい調味料が入るスライドバスケット収納を設置予定ですが、
調味料ストッカーに入ったものの行き場は?
見た目だけに拘りすぎて使いにくくなってしまったら、毎日少なくとも2回は使うもの、イライラの原因にもなります。
でも素敵におさめたい・・・
そういう私は最近、小さすぎる食器洗いスポンジに、使う度イラっときています。
使わなければいいのでは?と言われますが、10個まとめて買ってしまったので、そう簡単にはなくなりません。
日々使うものだからこそ、その人にあった使い方、暮らし方を一緒に考えていきたいと思います。
Vol.407
お引渡しまでの
あるプロセス


2011.09.19
一番多い質問で、「最初にお会いしてから、家が完成するまでどれ位の期間がかかるのですか?」とあります。
一般的には1年位が多いのですが、工事を始まる時期(1,2月は避けたい)や、
学校や仕事の関係で引越しされたい時期などお施主さんによって千差万別です。
来月末完成予定、11月第一週に見学会を予定している「古梓川の家」さんの場合、
出会いからこれまでのプロセスを紹介いたします。
最初にお会いしたのは、昨年の9月初め。ホームページをご覧頂き、お電話でお問い合わせしてくれました。
この時は、土地は購入前でしたが、ほぼ決めていた土地がありました。
それから色々ご検討、私共で基本設計を進めさせて頂くことが決まったのが10月の終わり。
どんな家にしたいか、これまでの住経験、お部屋のイメージなどをざっくばらんにお書き頂く「設計アンケート」
初めてプランをご提案したのが11月の終わりでした。
和モダンな家、開放的なお風呂、木のにおいがする家、書斎もほしいかな、掃除がしやすい、
着物が入る和箪笥が上手に入るスペース、ベランダがある、シンプルであきのこない家、玄関に大きな収納・・・
色々な意見のキャッチボールをしながら、プランが決まったのが2月。
それから実施設計に入り、ゴールデンウィークが始まる直前に見積依頼し、内容を検討、
5月末に工務店が決定し、5月28日に地鎮祭、7月2日に上棟式、
そして今月には大工工事が完了予定です。
どんどん形になっていく様子を、お施主さんがとても喜んでいただいている姿を見て
私達も同じくらい嬉しく、またワクワクしています。
Vol.408


2011.09.26
うつわ【器】(名)@入れ物。容器。A器具。B任にたえる才能。器量。人物。
辞書で「器」を調べると、こう出てきます。
今週末、松本市の中町通り「蔵シック館」で開催する「くらしと器」展。
私共が通う陶芸教室「stationaryのまど」とコラボのイベントです。
土からつくる食べ物を盛るための食器や花を生ける花器、陶器は「器」、
家も、これまた住む人を包み込む「器」。
のまどに通う生徒達の様々な個性溢れる「器」と
私達のこれまでの携わってきた住宅、大きな「器」、両方を是非お楽しみください。
10月1日(土)am10:00〜pm6:00は、
無料相談会を開催致します。
家づくりのことなど、お気軽にご相談ください。
Vol.409
はいしゃさん

2011.10.03
もともと積極的は病院へ行かない私。その中でも一番の苦手は歯医者さん。
子供の頃通っていた歯医者さんが、すごく怖かったのがトラウマなんでしょうか。
待合室で待っている間、扉の向こうから聞こえるウィーンという高音。
恐怖が最高潮となって診察室に呼ばれた時は、意識をどこに持っていこうか・・・
何か楽しい事や好きな音楽を思い浮かべるしかありませんでした。
そんな歯医者ギライの私が、歯科医院を設計させて頂く事となりました。
私みたいに歯医者さんへの恐怖を抱えている人は少なくないと思います。
(ちなみに相方は歯医者さん好きのようで、最近は歯科検診に無理矢理連れて行かれます)
その恐怖を少しでも和らげることは出来ないだろうか、それを頭におきながら考えました。
待合室に入った時、高い天井、アクセントの照明器具、ゆったりとしたソファ・・・
ここは歯医者さんだっけ?と思わせるような空間づくり。
診察台に座っている時は、私自身、目をつぶっている事が多いですが、
「ゆすいでください」と言われ、恐怖から開放され(笑)、口をゆすぐ瞬間、
目を開け、見える景色に和まされるのでは?
工事中の歯科医院では、診察台の前にはシンボルツリーのある中庭をのぞむことが出来ます。
これから内装の打合せに入っていきます。
完成が待ち遠しいです。
Vol.410
アオダモ

2011.10.10
この3連休は、晴天に恵まれました。
最も晴れる確率の高い日10月10日、本日も晴天なり。
ハッピーマンデー制度が2000年に始まってから、10月10日が体育の日になったのは2005年以来の2度目だそうです。
そんな良いお天気の中、3つの現場は動いています。
仕上げ工事が着々と進んでいる「古梓川の家」さんも、植栽、カーテンも決定し、お施主さんとの打合せも残りわずか。
今回、玄関横のシンボルツリーに決まったのは「アオダモ」です。
アオダモ(青?、学名:Fraxinus lanuginosa f. serrata)は、モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹。
樹高は5〜8m。樹皮は暗灰色。葉は奇数羽状複葉で小葉は1〜3対あり、
別名コバノトネリコとあるようにトネリコに似る。
枝を切って水につけると水が青くなることからついた名前と言われ、この水は染料として使用。
このアオダモを玄関横のシンボルツリーに選んだ理由は、
葉も小さく、株立の木は枝も繊細な感じが建物のイメージに合っているからです。
そしてアオダモと言って思い出すのは野球のバット。
堅く強いが粘りがある材質から、昔から木製のスポーツ用品の材料として使われてきました。
しかし計画的な植林・伐採が行われなかったことから、
バットに適した高品質な材の確保が困難になっているそうです。
そんな貴重な資源をこれからも有効に使っていこうと「アオダモ資源育成の会」では、
プロ野球などで折れたバットを集め、箸「かっとばし!!」として再生しています。
昨日は楽天・山崎選手の戦力外通告という寂しいニュースが飛び込んできましたが、
ドラゴンズに戻ってきて!と願う私は、「中日新監督、山崎獲得に興味」の
yahooニュースに少しほっとしています。
Vol.411
テキスタイルも
大事な要素

2011.10.17
部屋の中で意外に面積をとっているのが、カーテンやロールスクリーンなどの窓廻りのテキスタイル。
布地のセレクトや形状で、その部屋のイメージを良くしたり、はたまた悪くしたり。
私達はテキスタイルの打合せも家の設計の一環でお施主さんと行う事が多いですが、

ご提案書の作成や相談は、源池設計室の好みを知り尽くしている
カーテン屋さんのPSYさんを頼りにしています。
新しい情報なども色々教えてくれるので、勉強になります。
来月完成見学会を開催する「古梓川の家」さんも先日カーテンの打合せが終わり、
今回はヒバの板張りの浴室に、木製のブラインドを取付予定です。
昨年のお引渡しの住宅のカーテンをここでご紹介。


私達の定番の「ファーム」

寝室はシックな遮光カーテン
部屋の幅いっぱいに取付

書斎ロールスクリーンは調光可能。
ドレープとレースをボーダー状に
配した生地が、1台に2枚ついたロール

電動のロールスクリーンはやっぱり便利。
メカも大きくなくていいです。

ボトムボーダーでアクセント

和室にはやさしい風合いの
プリーツスクリーン
Vol.412
感じよう
心地いい暮らし

2011.10.24
信州に根ざした建築を創造し、信州の人々に広く提案したいと日夜考えている建築家の集団として
アーキクラブ信州が発足したのが、2年前です。
「建築家が身近な存在であること」を多くの方に知っていただきたく、LIXIL松本ショールームにて
月毎に変わる建築のパネル展や毎月第一日曜日に3組の建築家が「建築家に会える日」と称してのイベントを開催しています。
年に1回の全体イベントとして、2011年今年も「アーキクラブ信州作品展vol.03」を開催中です。
アーキクラブ信州@中南信メンバーがそれぞれ「心地いい」をテーマに制作したパネルを展示しています。
最終日11月6日(日)は、3つのテーマで、トークや実演をまじえたイベントを行います。
 ■10:00〜12:00  キッチン 〜建築家がつくる男の料理〜
 ■12:30〜14:30  窓とドア 〜心地いい暮らしと窓の関係〜
 ■14:30〜16:30  災害とエコロジー 〜お茶を飲みながら本気で語ろう〜

源池設計室Sはトップバッターの「男の料理」に参加。どんな料理が出来るか楽しみです。
私、源池設計室Yは、羽生田建築設計事務所さん、藤松建築設計室さん、林建築設計室さん
スタジオアウラさん、宮澤建築設計室さんの6人で、これまで手掛けた住宅の「窓」に着目し語り合います。
私自身、諸先輩方のお話も勉強になりそうで、一緒に交えていただきワクワクしています。

*アーキクラブ信州@中南信ホームページ→http://archiclubshinshu.web.fc2.com/
*アーキクラブ信州@中南信ブログ→http://archiclub.naganoblog.jp/
Vol.413
イベント
盛り沢山の
11月第一週

2011.10.31
明日から11月。1年あっという間です。
気の早い話ですが、今日から私は2012年度の手帳を使い始めました。
ここずっと同じ手帳を使っているのですが、今年だけその手帳が手に入らず、泣く泣く違う手帳を。
似て非なるものなり。愛着が沸きませんでした。
そうしたら先日、
これまで使っていたものと同じ来年度の手帳をハンズで購入→早速使用・・・となった次第です。
今週はイベント盛り沢山です。
昨晩の「空のあるリビングの家」さんでの新築祝いの楽しい宴から週が始まり、
11月3日(祝・木)、5日(土)は古梓川の家さんにて、完成見学会。
6日(日)は1年に1度のアーキクラブ信州@中南信のイベント、LIXIL松本ショールームにて。
朝晩は暖房機が恋しくなってきた今日この頃。風邪などひかず、今週も張り切っていきたいと思います。
【オープンハウスのお誘い】
11月3日(木・祝)、11月5日(土)松本市内にて、
お施主様のご好意により完成見学会を開催いたします。
詳しくはこちらをご覧ください。→http://www.go.tvm.ne.jp/~genchi/openhouse.html
皆様のお越しをお待ちしております。
Vol.414
長持ちなモノ

2011.11.07
先週2日間の「古梓川の家」さんの完成見学会へ多くの方にお越しいただき、本当に有難うございました。
私達一つ一つ、お施主さんと職人さんたちとつくり上げた大切な「家」という大きな器、
これからどんな心地いい暮らしが始まっていくのか、楽しみです。
今日はカーテンや木製ブラインドが取り付けられ、今週のお引渡し、お引越しを待つのみとなりました。

私達も現在の家に住み始めて丸9年経ちました。
物入の中をみると、引越し以来一度も開けていない段ボール箱が5箱ほど・・・
引越っしの際思い切って捨てておけば良かったなあと思いますが、今更整理をするのも億劫だったりします。
中身は昔録画したビデオだったり、集めていたフィギュアだったり。
逆に、何気なく使っているもので、意外に長持ち!というものもあります。
例えば、掛け布団。結婚以来、ベッドは3回変えたのですが、掛け布団はずっと同じです。
キッチン用品では、ボウルやザル、ピーラー、スライサーは買い換えていません。
最初にもう少し良いモノを買っておけば良かったなあと少し後悔。
あと脱衣かご。
これらは3度の引越しにも関わらず、ずっと一緒です。
Vol.415
明治村

2011.11.14
先週の木曜日、あいにくの雨降りでしたが、建築士会の研修で愛知県犬山市の明治村へ。
写真家の林広明さんにご同行いただき、建築写真の基礎を教えていただきながら撮影会も行われました。

その時、撮影した写真です。
Vol.416
マドノハナシ
その1

2011.11.21


先日LIXILショールームでのイベントで「窓」に関してのお話をさせていただきましたが、今日はそのお話です。
窓には色々な役割があると思うんです。
窓の位置やサイズなどが予め決まっている「規格の住宅」というのをよく耳にしますが、少し疑問を感じます。
隣近所が何もないような草原に、ポツリと一軒建つならいいのですが、実際の家は、周囲には色々な要素があります。
例えば、道路がどちら側なのか、隣には何があるのか、家なのか畑なのか、お店だったりもします。
また、お隣の家の窓はどの位置か、どんな景色が見えるのか、などなど
一つの建物で、窓の位置や大きさ、高さなど決めると言う事はとても重要で、
それによってお住まいになる方の心地よさも変わりますし、暮らし方まで変えてしまう事もあると思います。
窓っていうのは、ただ陽を入れるとか、風を通すとか、出入りする・・・と
いうような機能だけでなく、それぞれに役割や個性があるのではないかと考えながら、いつも設計をしています。
これまで、私たちで設計した住宅の色々な窓の「役割」について、次回一つ一つの例を挙げてお話したいと思います。
続きは次週。
Vol.416
マドノハナシ その2

2011.11.28
先週に引き続き、マドノハナシです。これまでの実例と共に。
【家の顔をつくる窓】
こちらは 360 度ぐるりとこの建物を見ると事が出来て、南・西・北は畑に
囲まれています。この玄関のある東面はちょうど真正面にカフェ、
駐車場も車の出入りが多いという敷地です。
ですので、こちら面はあえて窓などを最小限に抑えクローズする形で、
アクセントとなる窓を 1 つ設け、家の顔としました。
【おかえりなさいの窓】
家に帰ってきたとき、家の明かりを見るとほっとすると思います。
玄関側に面する、1・2 階のコーナーの大きな窓は「おかえりなさい」と
帰ってくる人への気持ちを込めました。
ただ、玄関横、道路側の大きな窓は、廻りの視線も気になる所ですので、
こちらは木の塀を建てることによって、その点をクリアしました。
【風景を切り取る窓】
「ピクチャーウィンドウ」と言われる窓です。
景色を窓で切り取って絵画のように見せています。
2 階の階段の吹抜から、天竜川越しに紅葉がきれいな山を、
それぞれ「絵」として切り取りました。
【庭をめでる窓】
これまでお住まいだった築35 年の住宅の解体し、新たに建て直した住宅で
こまめに手入れをされていた道路側に面するお庭は極力残したいと計画。
大切にしてきたお庭を、リビングから眺められたら楽しいのではと思い、
ちょうどモミジやスイリュウをめでる位置に窓を配しました。
【いらないものを消してくれる窓】
陽が入る南側、朝日が入る東側に大きな窓を取付けるという事が多いかと
思いますが、廻りの状況によって、それは変わると思います。
こちらは東側に、この敷地よりも一段高い田んぼになっています。
一般的な位置ですと、ダイニングに座っているとちょうど、田んぼで作業している人と目線が同じ高さになります。なので、ここは東側は高い位置の風抜きだけの窓にし、光は吹抜けから採りこみました。
【空を眺める】
天窓は、子供も大人も大好きな窓だと思います。
こちらは広めのロフトに天窓を設置。
先日お邪魔した時、お子さんが「ここから星を眺めたよ」と
嬉しそうに話してくれました。
子供たちも、色々楽しい使い方をしているんだなあと感心。
Vol.418
マドノハナシ
その3


2011.12.05
先々週、先週に引き続き、マドノハナシです。
【 ホタルノマド】     
こちらは現在工事中の物件です。この色紙の部分が窓になります。
北側と、東側の田んぼ越しに道路があり、ちょうどよく見える位置に建っています。
家の人だけでなく、ここを通る人達にも、ちょっと楽しい気持ちになってもらえたら嬉しいなと思い、
この東面には、ランダムに小さな窓を幾つも取り付け、「ホタル」が飛んでいるようなイメージにしました。
ランダムに窓をつけるのは意外に難しいです。
今回、この色紙を張りつけ、あっちでもないこっちでもないと検討しました。
この写真は上棟式の日になんです。
通常、上棟式の日は、屋根と柱だけという事が多いのですが、
この前の日の3 時の休憩の時間、大工さん達とお茶を飲んでいる時、この窓の由来を話しながら、
「明日、窓の位置の紙を張りたいんですよね」と何気に話した所、
翌日の夕方には、この色紙が張れる様にボードまで仕上げてくれていたんです。
棟梁たちも「いい家を建てたい」という気持ちが伝わってきました。
家を設計していて、心地いい建物をつくるには、自分たちの力だけでなく、
お施主さん、職人さん、多くの人の力が合わさって出来ていくのだと、日々感じています。
Vol.419

暖簾の存在感

2011.12.12
先週末、11月に竣工した古梓川の家さんに「暖簾」が届きました。
穂高の十色屋さん制作。
10月の末にお施主さんとご一緒に、十色屋さんの工房で選んだ暖簾。
和室と洗面所。どちらもアクセントカラーは「オレンジ」
先日、PANTONE社から来年の色「2012 Color of the Year」が発表されました。
赤みを帯びた情熱的なオレンジが来年の色だそうです。
源池カラーでもあるオレンジ、ちょっと嬉しいです。
暖簾、布1枚ですが、その色、そのデザインで、空間がまた違ってきて、とても存在感があります。
「暖かい」「すだれ(簾)」と書いてのれん。元々は禅宗の用語で寒さを防ぐ為に掛けられた垂れ布の事だとか。
玄関を入った正面には落ち着いたブラックを基調にしたオレンジのラインの暖簾。
洗面はオレンジを基調に、茶色と深緑のアクセントの暖簾。
麻の布の透き通る素材感が、また良いんです。
「開くのではなく、押し分けて通るという独特の機能を持ちながら、美しい雰囲気を醸し出します。」と十色屋さん。
暖簾に手を45度に傾け、押し分ける・・・この所作に心惹かれます。
Vol.420

日本初飛行の日

2011.12.19
今日、12月19日は「日本初飛行の日」
ライト兄弟から遅れること7年と2日後の1910(明治43)年の今日、
日本初飛行実験に公式に成功したそうです。飛行時間4分。
今日は私の誕生日でもありますが、私が書道で初めて賞を頂いたのが「初飛行」の文字。偶然?
このマンデーコラムと重なったのは2005年以来、6年ぶりです。
その2005年の今日は、安曇野市の「美郷庵」さんで完成見学会をさせていただきました。
そして今年、美郷庵さんでは北側のフェンス工事をさせて頂きました。
春から始めたFacebook。今日たくさんのHappyBirthdayを頂き、びっくり。
こんなに祝って頂いたのは大学以来です。
最近、Facebookでは高校の同級生とプチ同窓会のような、
教室の隅でおしゃべりしているような、はたまた交換日記のような、
そんな楽しい交流に、時間的ベクトルは存在しない気がしています。
今日のコラムはつぶやきのような感じになってしまいましたが、
来年も「初飛行」に負けないよう、高いところを目指し、飛び続けていきたいです。
今週はお引渡しが2物件。
塩尻市の歯科手塚医院さんは2012年1月4日、移転オープンです。
http://genchigenba.web.fc2.com/42/06-genba-42.html
サクラホタルノイエさんは23日(祝・金)完成見学会を開催させていただきます。
http://www.go.tvm.ne.jp/~genchi/openhouse.html
皆様のお越しをお待ちしております!

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