GENtiArchitectsDESIGN モクジヘモドル
Vol.381
夫婦×夫婦
4人の建築展


2011.03.21
昨日から塩尻市えんぱーくにて開催の「夫婦×夫婦4人の建築展」へ、多くの方々にお越しいただき有難うございます。
また、建築展へお越し頂いた方から通りがかりの高校生まで、東北地方太平洋沖地震への義援金をご寄付頂き、
日本が今一つになっている事を実感しました。感謝の気持ちでいっぱいです。
明日、責任を持って塩尻市交流センターへ届けます。
今回の建築展の様子を写真でご紹介。
昨日から塩尻市えんぱーくにて開催の「夫婦×夫婦4人の建築展」へ、多くの方々にお越しいただき有難うございます。
また、建築展へお越し頂いた方から通りがかりの高校生まで、東北地方太平洋沖地震への義援金をご寄付頂き、
日本が今一つになっている事を実感しました。感謝の気持ちでいっぱいです。
明日、責任を持って塩尻市交流センターへ届けます。
今回の建築展の様子を写真でご紹介。
明日まで開催致しております。
Vol.382
松本
二十四小路


2011.03.28
早いもので3月ももう後3日。今月も慌てて陶芸教室へ。
中町通りへ行く途中、幾つか通る松本の二十四小路、今日はカメラを持って散策を兼ねちょと遠回りしながらお教室へ。

玄知(源智)小路

源智の井戸

庚申小路

神明小路

神明宮

一ツ橋小路

女鳥羽川

新小路

春は近いです

小路名の石柱

中町通りの陶芸教室「のまど」

本立小路
Vol.383
ヨーグルト
メーカー


2011.04.04
最近の朝の楽しみは「自家製ヨーグルト」
自家製です!と胸を張って言っていいのか分からない程、簡単につくることが出来ます。
そのアイテムは、先日購入した「ヨーグルトメーカー」なる、ヨーグルトを作るための保温器のようなものです。
友人たちにその話をしたら、お風呂場に一晩置いておけばいいよ!とか
、コタツでも出来る!と否定されてしまいましたが・・・
簡単ですごいんです。
夜寝る前、牛乳パックにヨーグルトを少し入れて、ヨーグルトメーカーにセット、朝にはヨーグルトが出来上がっています。
牛乳パックごとなのでお手入れも楽チン。
またちょっと濃い目の牛乳でつくると、ヨーグルトもちょっとリッチな味になります。
好みの味でつくる事が出来るのも良い!
最近の私のトレたまの一つです。
Vol.384
馬酔木

2011.04.11


ようやく桜の便りが聞こえ始めました。
昨年末お引渡しの2軒の住宅では、植栽の工事が進み始めています。
「北原町の家」さんでは、コンクリートの塀の前に植える予定の低木は「馬酔木(アセビ)」
ツツジ科アセビ属の耐寒性常緑の低木です。別名はアシビ、アセボ。
白もしくはピンク色の小さなつぼ状の垂れ下がったような花をつけます。花の時期はちょうど今頃。
馬酔木」とは面白い漢字ですが、馬や鹿などの草食動物が食べると、
酔ったようになることから名前が付けられたそうです。
学名 Pieris japonica【 日本の Pieris(ピエリス)】
「Pieris」はギリシャ神話の詩の女神の名前。日本名の「 馬酔木」とは違った可憐な名前です。
「池水に 影さへ見えて 咲きにほう あしびの花を 袖に扱入(こき)れな」
万葉集でも大伴家持や他の歌人に多く詠まれています。
Vol.385
コヒガンザクラ

2011.04.18
松本の薄川沿いの桜が満開です。過ごしやすい陽気になりました。
現在3件の外構工事が進んでします。
その一つの「バルコニーのある家」さんは、サクラの移植と芝張りが先週終わりました。
このサクラは「コヒガンザクラ」でいつか家を建てる時の為に・・・と、畑に仮植えをしていたものです。
コヒガンザクラは花の色はソメイヨシノよりも濃く、エドヒガンとマメザクラの交雑種と言われています。
このコヒガンザクラで有名なのは高遠城址公園。
信州に来て20年弱、昨年ようやく高遠のサクラを愛でる事ができました。サクラに包まれ、感動しました!
サクラは不思議な花です。
この花を見ると幸せな気分になったり、サクラと共にある記憶は何故か鮮明です。
先週、中央道の府中の手前から見えた観覧車。
よみうりランド、24年前桜前線真っ盛りだった風景が昨日の事の様に思い出されました。
サクラには出会いや別れの思い出もあり、今年のサクラも忘れられないサクラになりそうです。

 ←つぼみが膨らみ、花はこれからです。
 ←事務所で頂いたこのサクラの枝は一足お先に花が咲きました。
Vol.386
工芸の五月

2011.04.25
松本は、江戸の頃から城下町ならではの手仕事が息づいていた町です。
その素地の上で、「用の美」を追求する民芸運動の影響を受けた松本の人々は、
暮らしの道具、庶民のための工芸を再び作りはじめました。
それらの仕事はゆるやかな速度で松本の人々の生活に溶けこんでゆきました。
・・・という書き出しで始まる今年の「工芸の五月」の冊子。
今週末から5月です。
松本の色々なトコロで色々なモヨオシが始まります。
最終の土日は、あがたの森にて恒例のクラフトフェア。
中町のstationaryのまどでも〜手のひらサイズの陶芸体験〜を開催します。
ガルガさんの「はこ・箱・ハコ展」気になります。
デリーさんにはカレーを食べがてら「三代澤本寿展」へ今年も行きたいです。
Mウィングでの前田大作さんのワークショップ「カッティングボードつくり」心惹かれます。
町にくりだそう。どこに行こう。何を見よう。
ココロはずむ5月です。
松本「工芸の五月」のHPはこちら→http://matsumoto-crafts-month.com/
Vol.387
エアレーション

2011.05.03
先日「バルコニーのある家」さんの外構工事が終わり、
造園屋さんによる芝生の手入れのレクチャーをお施主さんと受けました。
芝生を育てるにあたり、大切な作業の一つが「エアレーション」
エアレーションは、地面に穴を開けること。
そうすることによって、地中に空気を供給したり、水の浸透を良くしたりし、芝生が活性化されます。
専用の道具がホームセンター等でも売っているそうですが、
スキーのストックやスパイクのついた靴でも代用できるそうです。
この作業の後は、芝生に砂を入れる「目土入れ」を行ないます。
芝生の手入れと言って思い出すのはアメリカの住宅。
映画やドラマなどによく出てくる、休日のお父さんの芝刈りシーン。
「Get off my lawn(わしの芝生から立ち退け)!」は、映画「グラン・トリノ」のクリント・イーストウッドのセリフ。
芝生のある家はアメリカンドリームの象徴らしい。
子供の頃からアメリカドラマに夢中な私は、青々とした芝生、その向こうの玄関、やっぱり羨ましいです。
Vol.388
美濃焼き

2011.05.09




GWの5月4日、お施主さんご家族と一緒に土岐市の美濃焼まつりに行ってきました。
美濃焼きは、土岐市、多治見市、瑞浪市、笠原町で焼かれる陶磁器の総称。
美濃では平安のころから須恵器が焼かれていましたが、永禄のころ茶道の流行とともに、
織田信長の保護により桃山の茶陶を代表する天目、志野、織部、黄瀬戸などが美濃で焼かれ、
江戸初期にかけて陶芸の里として発展したそうです。
昨年行ったINAXミュージアムの織部焼の便器を思い出しました。
http://www.houseco.jp/profile/architect/3860/blog/entry/8432
毎年5月の3日〜5日の3日間、開催される美濃焼まつりは日本3大陶器まつりの一つ。
40万人近い人が訪れるので、8時半前に現地に着くのがお勧めです。今回渋滞知らずでした。
今回の目的は、急須探しと陶器創作アイデアのヒントを見つける事。
急須、お気に入りを見つけました!
豊田市の椎名守さんという作家さんの作品。
シンプルな形と独特な黒の色づかいに惚れ込みました。
お誘いいただいたSさんご家族、有難うございました。次回は信楽に。
   
Vol.389
階段箪笥

2011.05.16

この階段箪笥は、2004年にお引渡しの「和音堂」さんの玄関を入って正面にあります。
階段箪笥は、箱階段や箪笥階段とも呼ばれ、階段の下を収納として利用する目的で、
引き出しや開き戸、引き違い戸などを組み合わせた形になっています。
江戸時代からあり、家の狭い町屋や土蔵の階段によく使われていました。
この箪笥も実際、以前こちらにあった土蔵で使われていたそうです。
住宅を設計する際、この箪笥をどこに置くかも、大きなキーポイントでした。
背面は化粧されていないので、置く方向が限られています。
侃々諤々の末、家族を見守ってくれる位置でもあり、道行く人からも楽しんで頂ける位置になりました。
今日も家族を見守ってくれています。
収納としてもしっかり役割を果たしています。
プラン打合せしている間も、お住まいのマンションで私達を見守ってくれていました。

Vol.390
タオル事情

2011.05.23
先日、お施主さんとも笑い話になったのが「タオル事情」
住宅を設計するうえで、買い置きの洗剤やティッシュ、すぐに使いたいタオル、
掃除機や古新聞の置き場など、お聞きしてプランに反映していきます。
日常使うモノの使い方や収納方法など、これはそれぞれご家庭によって異なります。
色々なルールなどもあったり。
また意外とかさばる使用後のバスタオルを掛ける場所なども、リクエスト頂くことが多いです。
その時に、いつも話にのぼる我が家の「タオル事情」
家事楽=家事が楽しく、楽ちん!を目指す我が家は、バスタオルを使いません。
バスタオルは、洗濯の時も場所をとってしまうし、洗濯機に入るまでも場所をとります。
結婚して以来、バスタオルは温泉に行くとき以外は使っていません。
「なにで体を拭いているのですか?」とよく聞かれますが、フェイスタオルです。
これ1枚でOK!
「ガーゼタオルも洗濯が楽ですよ」と先日教えていただいたので、
これから我が家のアイテムの一つになりそうです。
Vol.391
いえをつくる
ごはんをつくる
くらしをつくる


2011.05.30
先日、妻が不在の時から料理にはまっています。
つくった料理を写真に撮り、ブログにアップするのが日課です。
これまでは家づくりの打合せで、ご夫婦共にキッチンに立たれるというお話しを聞くと、
妻がとっても羨ましそうな目をしていましたが、これからは「我が家もです」と言ってくれるかもしれない。
今日のランチは、小松菜とベーコンのトマトソースパスタ、ラスク添え。
ライフワークでもある「いえをつくること」
「ごはんをつくること」、はたまた「くらしをつくること」は同じ線上にあるのではないだろうか・・・と考える今日この頃です。


5/30(月)昼飯 小松菜とベーコンのパスタ

5/28(土)夕飯 ふきの煮物

5/24(火)夕飯 生姜焼き

5/23(月)夕飯 マスカルポーネのパスタ
Vol.392
設計事務所の
一週間 Vol.5


2011.06.06
ネタに困ると、この話題・・・という訳でもなくはないのですが、
2003年10月末からマンデーコラムを始めて早7年半、この話題も5回目。
自慢は一度も休んだことはない事です。マンデーでない週も数回ありますが・・・
先週の源池設計室の一週間は、現場が2つ動き出し、外へ出る事が多くなりました。
月曜日・・・午前中は中町のまどの陶芸教室。午後は事務所で図面作成。
火曜日・・・現場丁張り確認、新しい敷地の測量、午後は初めてお施主さんと打合せ、夕方お施主さんへ書類を届ける
水曜日・・・Yは解体の現場へ、Sは基礎工事の現場へ。午後、友人Mが突然の来訪(栗菓子ご馳走様でした!)
木曜日・・・お施主さんとの打合せで東京へ
金曜日・・・Sは現場から夕方アーキクラブ信州の会議へ、Yは事務所で図面作成。
土曜日・・・午前中年内着工のお施主さんと打合せ、午後は進行中の現場のお施主さんと挨拶回り、
      そしてもう一軒のお施主さんとショールームで打合せ。夕方富士見へ、夕飯は茅野の焼肉屋さん。
日曜日・・・午前中はフォトギャラリー日野さんへ、帰り道にひづきへ寄りお昼ごはん、夕方はノットアノットさんへ。
昨日の日曜日は、久々の休日なりました。
少し朝寝坊をし、松川パン商店さんへ焼きたてのパンを買いに行き、遅めの朝食。
今週は雨が少なそうで、現場のほうもひと安心です。
Vol.393
僕の好きな金物

2011.06.13
僕の好きなドアハンドルは、堀商店のレバーハンドルMCR、色はBYオールドブロンズ。
堀商店は明治23年(1890年)創業の建具金物の専門店。
このMCRは、端っこが細くなっていて、キュッと内側に曲がるスタイルが、何とも繊細なんです。
手に馴染む大きさ、形。
勿論、使い易さという機能も備えています。
そして、この時使う丁番は掘商店の185・オリーブナックル丁番。
その名の通り、オリーブの形をしています。
ドアを開いている時も、閉じている時もひっそりとした存在感があります。


↑レバーハンドルMCR

閉じている時の
オリーブナックル丁番

開いている時の
オリーブナックル丁番
Vol.394
父の日

2011.06.20

昨日は父の日。
今年は生まれて初めて父のいない父の日となりました。
四十九日も終えたのですが、父の意向でしばらくは納骨しない事となり、
私は骨壷をつくる事を考え、母に相談したところ、お揃いで自分の分も作ってほしいと。
陶芸教室「のまど」には、一昨年くらいから「ご自身の骨壷をつくってみては」と書かれていましたが
これまで本当につくった方は一人だけ。その次が自分になるとは思いませんでした。
陶芸をはじめて丸八年。初めての大作です。
船乗りだった父。私の名前も、生まれた時に海にいたので「洋子」
骨壷の色は、父の好きだった海の色にしようと思っています。
新盆には間に合いそうです。
私が設計した家の父の暮らした部屋に、好きだった煙草とラガーを添えて。
Vol.395
小泉八雲

2011.06.27
今日6月27日はラフカディオ・ハーンの生まれた日です。
紀行文作家であり、随筆家であり、小説家であり、日本研究家でもあるハーン。
日本国籍を取得後の名前が「小泉八雲」
アメリカの出版社の通信員として日本に赴任、その後英語教師として日本に住み、
欧米に日本文化を紹介する著書を数多く残しました。
今日が小泉八雲の誕生日と聞いて、思い出したのが、高校の時の英語の先生Mr.アベ。
自称ハーフ(英語なまりの日本語と、髪を茶色く染めていたので、ハーフに見えなくもなかったです)
そのMr.アベが、 教科書代わりに授業の教材で使っていたのが、小泉八雲の「Kwaidan(怪談)」
古くから伝わる日本各地の怪談や奇談を収集し、
自らの解釈にしたがって情緒豊かな物語に仕立て上げたのがこの「怪談」
物語は知っているので、その英文を解釈しながら読み進める授業は、とても興味ある内容でした。
松江にある「小泉八雲記念館」では「KWAIDAN―怪談―展」を昨日から開催しているそうです。

小泉八雲をこよなく愛していたMr.アベは、きっと行っているに違いないと思います(お元気かな?)
Vol.396
古梓川

2011.07.04
先週、天気予報に反し、雨にも降られず、松本市の「古梓川の家」では無事上棟を迎えることが出来ました。
古梓川は、松本市公式観光ポートルサイト「新まつもと物語」もよりますと、
倭橋付近から梓川河川水を引き込み、新村・島立・島内地区を流れ奈良井川に至る榑木川のかつての呼び名です。
松本市最大の穀倉地帯を潤し、豊富な木材を運んで街並みを形成し、
経済を支えたこの古梓川は、「母なる川」とも言われています。
この地区に建設するにあたり、建築にもこれまで深く関わりのある古梓川、
工事中もそしてお住まいになられてからも母なる川に見守っていただき、
キッチンまわりの回遊性など川のように流れのある家・・
・という思いを込めて「古梓川の家」と名づけさせていただきました。
「下流の犀川にダムや堰堤が出来る昭和初期まで
日本海からサケがたくさん遡上してきた」という話しには驚きましたが。


日本浮世絵博物館横の古梓川

由来の書いてある看板

春の風景、きれいな水が流れています
Vol.397
ダイニングの灯り

2011.07.11
就寝前の数時間は、灯りを少し暗めにすると寝つきがよくなり、良質の睡眠になると言われています。
これまで我が家では、ダイニングで本を読んだりするので、72ワットと明るめの照明器具を使っていました。
それを最近、シーリングの照明器具から吊り下げタイプのペンダント照明にし、
且つ電球もLED1灯と暗めのものに変えました。
すると、本当によく眠ることが出来ます。
食事をしてから1時間くらい、テレビを見ていると眠くなります。
なので、最近は録画してあるアメドラも貯まる一方で、「録画時間が少なくなりました」と毎回表示されます。
また好きな小説とも距離をおいた感じになり、小説欠乏症です。読みたい!けど眠い・・・
就寝前の灯りを少し暗くして、こんなに効果覿面とは。

     
Vol.398
模型

2011.07.18
平面のプランがほぼ決まった時、外観のイメージを表す時などに、ご提案する模型。
「2Dの平面図だけでは分かりにくい所も、よく分かる」
「だんだん形になってきた」・・・模型をご覧頂いた時、いつも喜びの声をいただきます。
先日遊びに来てくれた若い友人も、事務所に並んでいる模型にいたく感動してくれました。
夢の模型。
大学時代、課題でつくった下町に建つ細長い敷地の住宅模型を、周りにいた仲間達と並べて町並みをつくってみました。
こんな町並みが出来たら面白いねと語っていたのは、もう20年前のこと。
その時は本当の「夢の模型」でした。
今はその模型が実際に建っていく。住宅設計という仕事に喜びを感じています。

Vol.399
リノベーション
工事
Vol.05始動


2011.07.25
今月から、築40年の住宅を家族構成の変化から改修する工事が始まりました。
源池設計室としてのリノベーション工事は5軒目です。
リノベーションという場合の意味は改修、増築などにより新たな価値が創出され使い勝手などの面での改善など
付加価値の増大させたり用途を変させることを意味します。
これまでの4軒の工事をご紹介します。
長野市「a:r134」  2004年
 

築30年事務所ビルを大きなキッチンが家の中心の住宅へ。
3面に広がる窓を一部を採光のみとし、波板の壁に。
サクラの無垢フロアの居心地のいいリビング・ダイニング。


世田谷区「O邸」 マンション  2004年
 
築35年の2Kのマンションをスケルトンにし、
新たに断熱工事を施し、床暖房を設置のワンルームに。
明るく暖かい快適な空間へ。


池田町「indah-indah 」 2006年
 
使われなくなった精密工場を住宅へ。
鉄骨梁の広い空間は一部吹抜にし、明るいLDKに。
駐車場部分だった下屋は格子に囲われたインナーテラス。


長野市「キリノイエ」  2008年
 
事務所ビルの3階住宅部分を広く使いやすい住宅へ。
断熱材は新聞古紙が主原料のセルロースファイバー。
調湿性、防音性、撥水性に優れています。


Vol.400
海鼠壁
【なまこかべ】


2011.07.25


6年前HPに「Kurakulove(蔵クラブ)」というタイトルで、蔵に関するコラムを月に一回配信していました。
結果的には4回で終了してしまったのですが・・・
もう一度見たい!というリクエストがありましたので、このマンデーコラムで復活致します。

海鼠壁【なまこかべ】
外壁の腰廻りなどに平瓦を張り付け、目地を漆喰でかまぼこ型に盛り上げて納める方法の事。
土壁などの漆喰を風雨から保護する為の手法で、
江戸時代の初め、武家屋敷の長屋や長屋門の壁に使われたのが始まりだそうです。
建築用語で半円形や蒲鉾(かまぼこ)形のことを「海鼠形」ということからついた名称で
「生子壁」と表記することもあります。
盛り上がった漆喰の部分を「海鼠漆喰」、海鼠壁で仕上げた塀を「海鼠塀」と言い、
松本市の中町通りなどでよく見掛ける菱形の「四半張り」の他、「馬乗り目地」「七宝模様」
「亀甲模様」「いも張り「松皮菱」・・・デザインも色々あります。
瓦は貫(ぬき)に釘で止める方法と、荒壁面に粘土を用いて張り付ける方法があり、
目地の塗り工程は、漆喰で瓦の目地を塞ぐ「下塗り」、砂漆喰を盛り上げて塗る「中塗り」、
漆喰を丸く仕上げる「上塗り」の3工程です。
また、海鼠壁と上部の壁の間に漆喰や水切り瓦で水切りを付けます。
松本市以外で、海鼠壁で有名な町並みと言えば、長野県内では須坂市や千曲市稲荷山、
西伊豆の松崎町、岡山県倉敷市、愛媛県内子町、大分県日田市など。
特に松崎町は、江戸時代活躍した漆喰鏝絵の入江長八の「伊豆の長八美術館」があります。
「建設に参加した多くの左官職人の持つ古来より受け継いだ技術と、
新しい工法が実証されたものであり、
職人の職人による職人のための美術館」と設計の石山修武氏が言う様に、
外部腰の海鼠壁以外にも、色々な左官仕上げを楽しむ事が出来ます。
映画「ひとひらの雪」(1985年/渡辺淳一の小説)や「つぐみ」(1990年/吉本ばななの小説)でも
1984年完成の長八美術館がお目見えします。
話しは色々な方向へ行きましたが・・・次回は「漆喰」についてのおはなしです。

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