GENtiArchitectsDESIGN モクジヘモドル
Vol.21
ハーブの力

2004.03.29
花粉症の季節になりました。
我が家の対策は、ミントの結晶です。
“ハッカ脳”と呼ばれる天然ペパーミントの結晶で、主な成分は「メントール」。
このミントの結晶を綿と共に5cm×1cm位の小さな袋に入れ、
胸ポケットなど鼻に吸い込みやすい位置へ配し、
徐々に溶けてくるミントの香りで「花粉症」を退治します。
10日〜2週間くらい効果が持続するので、この時期には欠かせません。
他にもハーブは、食べる・飲む以外の生活の中で、大いに役立っています。
庭にある「ローズマリー」はダニ除け、
「ラベンダー」は虫除けの効果があると言われています。
今年は、地被性の「ペニーロイヤルミント」を植えようと思っています。
芝生の様に生え、人や犬が踏むと香りが立ち、虫を寄せ付けない効果があるそうです。
また、最近は犬用のハーブのアロマテラピーやサプリメントがあるそうです。
皮膚トラブルに効果のあるもの、精神を落ち着かせる効果のあるもの、
老廃物の排泄に効果のあるもの、消化吸収機能を高めるもの、病気の予防になるもの。
キャンドル式のアロマポットを使ったり、スプレー容器にいれて吹きかけたり、
マッサージしたりと使い方は色々あるそうですが、
犬の状態とハーブの効果を的確に知る事が大事です。
暖かくなり始めの今、犬の毛も抜け変わる時期です。
我が家のトヨゾウも8歳になるので、ブラッシングの時に、
消化吸収機能を高め体の調子を整える効果のある「バジル」と「カモミール」の
エッセンシャルオイルをマッサージしてあげようと思います。
Vol.22
サクラ

2004.04.05
♪新しい友達 今日からたくさんさ
 入園式にはサクラ吹雪 包み込むよ
 黄色いボウシが ちょっぴり大きいけど
 そのままでいいよ フワフワ 素顔のままで♪
サクラの声が聞こえ始めるこの時期、私はいつもこの歌を口ずさんでしまいます。
中学校の桜並木を歩きながら、この歌を歌ったのは、もう20年前になりますが。
今朝、家の前で、サクラ色の着物と着たお母さんとビデオを持ったお父さん、
ちょっと大きめのブレザー姿の男の子を見かけました。
きっと、近所の保育園の入園式なのでしょう。
一昨日、松本市にはサクラの開花宣言がありました。
昨日は一変雪でしたが、今日は日差しも戻ってきました。
松本城では、「国宝松本城夜桜会」も始まり、
夕方5時半から8時半まで本丸庭園が無料開放になります。
ライトアップされた松本城と夜桜を背景に琴や尺八、雅楽、フルートの演奏も行われ、
一見の価値ありです。
松本市のサクラと言えば、弘法山古墳や城山公園ですが、
「白線流し」で有名になった薄川(すすきがわ)もとても綺麗です。
犬のトヨゾウの散歩コースでもありますが、まだ蕾です。
4月になると、何故だかワクワクしてきます。
新しい出会いや発見がありそうな、毎年サクラを見ると楽しい気分になってきます。
Vol.23
ペンペン草

2004.04.12
昨日は友人家族と一緒に、薄川へお花見散歩へ行きました。
薄川の堤防沿いに咲くソメイヨシノの桜並木は満開で、まさにお花見日和でした。
今春小学校へ入学した友人の娘さんのはーちゃんが、黄色い花を手に持って
「ペンペン草!」と喜んで走ってきました。
すると友人が「それはペンペン草じゃないよ。ペンペン草は白い花だよ」と言った後、
私に「そうだよね?」と聞いてきました。
子供の頃、江戸川の土手でペンペン草を摘んでは鳴らしたものですが、
今、ペンペン草は何色?と聞かれると、咄嗟には分かりませんでした。
何色だったかな?白?黄色?・・・しばらく考え、
「やっぱり白だ!」と自分にも納得しました。
花より団子の大人になってしまったなあと、つくづく反省です。
よく見ると、はーちゃんの手にある黄色い花は、みな根っこが付いていました。
「はーちゃん、なんで根っこ付いているの?」と聞いてみると、
彼女は笑って「また植えられるでしょ」と一言。
気持ちがキレイになったような休日を過ごす事が出来ました。
今朝、犬のトヨゾウとの散歩の途中、ペンペン草を見つけました。
一昨日ならば、きっと見過ごしていたであろうペンペン草です。
昨日の「キレイ」をずっと持続していければなあ、していきたいなあと、
思いながら、いつもの散歩コースをいつもよりも気持ち良くたどって行きました。
Vol.24
ラクレット


2004.04.19
2回目の打合せの時、お客様のご自宅で「ラクレット」をご馳走になりました。
お客様に「これ見た事ある?」と聞かれ、出てきたものが「ラクレット器」でした。
ホットプレートに蓋がついたような形で、その蓋に小さな専用のフライパンを入れる
窓が6つあり、上部に電熱線がグルっとまわっています。
そのフライパンに茹でたジャガイモと5mm位の厚さのラクレットチーズをのせ、
窓に入れ、チーズがとけてきたら取り出し、
お好みで塩・こしょうで味付けをして頂くというものです。
「ラクレット(Raclette)」という言葉の意味は‘削り取る’(ラクレ)であって、
もともとは暖炉でチーズを溶かして、その部分をそぎ取ってジャガイモなどに
添えるスイスのチーズ料理で、今はチーズ名にもなっています。
アルプスの少女ハイジが山小屋で棒の先にチーズを刺して暖炉で温めて
とかしていたのを思い出しました。
とけたチーズの味はマイルドで、辛口の白ワインと合いそうな絶品でした。
昨日、そのお客様のご自宅で3回目の打合せがありました。
ラクレットの話で盛り上がった後、近所にスイス料理店が出来たので
本場の味を楽しもうという事になり出掛けました。
運ばれてきたラクレットは、お皿にとけたチーズとじゃがいもとピクルスでした。
(結構よいお値段でしたが)やはりアツアツを頂かなくては・・・
Vol.25
直島

2004.04.26
ゴールデンウィークの情報があちらこちらで聞こえてくると旅行へ行きたくなります。
今一番行きたい所は、香川県の直島です。
一年半前、一人旅をしたのですが、午前中到着し、高松行きの最終船夕方5時までの
短時間でしたので、今度は、泊まり(出来れば数日・・・)でゆっくりしたいです。
直島と言えば、安藤忠雄氏設計の「ベネッセベネッセハウス
(直島コンテンポラリーアートミュージアム)や
石井和紘氏の直島建築「直島小学校」「直島中学校」「直島幼稚園」「直島町役場」
などが有名ですが、何と言っても「直島・家プロジェクト」が一番のオススメです。
本村地区に残る民家を修復・保存し、そこで現代美術作家が作品を制作・展示することで、
古い民家(瀬戸内海に残る本瓦の伝統的な木造建築)の空間を
現代によみがえらせようというものです。
それぞれの民家を舞台に、独特のアートが個性的な空間をつくりだします。
宮島達男氏の「角屋」は、美しい白壁と焼杉板の土蔵のある民家で、
薄暗い座敷には水が張られ、その中に蛍光色の数字が点滅したり、
窓と一体のカウンターの数字が変化したりします。
静かな空間に慌しい時の流れ・・・そのギャップが面白いです。
内藤礼氏の「きんざ」は中に入ると天井と床を取り除いた土と柱だけの何もない空間で
その中に1組15分ずつ入り、地面に座り、その時間と空間を思い思いに過ごします。
雑念が取り除かれそうな、禅寺の様な感覚です。
建築は安藤忠雄氏、アートはジェームズ・タレル氏の「南寺」は、
その時メンテナンスで見れませんでした。
杉本博司氏の「護王神社」は、石室と本殿とはガラスの階段で結ばれていて、
地下と地上とが一つの世界を形成しています。
ここは完成直前でしたので、地下の石室は見学できませんでした。
そして、本村地区には「直島町まちづくり景観整備事業」として
屋号表札が統一されていました。これが又、アートなデザインなんです。
この表札は、商品化されているようですので、いつか使ってみたいです。
Vol.26
色あせない映画

2004.05.03
先週テレビのチャンネルをガチャガチャ回していると、見憶えのある映画がやっていました。
暗い工場に蒸気、ネオンサインの点滅、「何だったかなあ・・・」と暫く見ていると、
若き日のウィレム・デフォー(大ファン!)が、ピチピチの革のパンツで登場しました。
ウォーター・ヒル監督の「ストリート・オブ・ファイヤー」でした。
ストーリーは知っていましたが、懐かしさのあまり最後まで見てしまいました。
1984年の映画ですが、ラストでダイアン・レインが
「Tonight Is What It Means To Be Young 」を熱唱するシーンも
その他の音楽・衣装も、今見ても色褪せていませんでした。
主人公マイケル・パレの着ているトレンチコートは
アルマーニだったんだなあと思い出しました。
同じアルマーニつながりで、同時代の「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」も見たくなり、
物置に閉まっていたダンボールの中からビデオを探し出しました。
脚本がオリバー・ストーンだった事には驚きましたが・・・
ジョン・ローンもかっこいいけれど、目を引くのは何と言ってもインテリア!
今再現しても、そのまま解け込んでしまうのではないでしょうか。
80年代、もしくはそれ以前の映画は、今の様なCG駆使とは無縁ですが、
(最近の映画は、アニメーションを見ているような感覚です)
ストーリーもセットも衣装も色あせず、いつの時代にも楽しめると思います。
「家」もそうでありたいです。
ロバート・ダウニーJrの「1969」、オンボロ車で旅に出る「ファンダンゴ」
青春ものの王道「セント・エルモス・ファイヤー」、
クマの被り物が印象的な「ホテル・ニューハンプシャー」
GWの残りは80年代の映画に浸ってみたいと思います。
Vol.27
FlowerDesign
Studio
和花


2004.05.10
一昨日、母の日に花を贈ろうと、以前から気になっていた花屋さんへ行ってみました。
「花屋さん」というよりは、お店の名の通り「Flower Design Stuidio」という感じの
そのお店は、我が家から歩いて3分位の所にあります。
何故気になっていたかというと、最初は住宅の部分に目を惹かれていたのです。
(店舗部分は後から増築されたようです)
犬のトヨゾウと散歩で前を通りながら、すっきりしたデザインで
「いい家だなあ」と思っていました。
暫くその前を通っていなかったのですが、ある日ふとスーパーの帰りに自転車で通ると、
今の店舗部分が出来ていました。
1階はRCの打ちっ放しで、2階はガルバリウム鋼板の縦張り、
住宅部分と違和感なく良いバランスなのです。
写真のスタジオかなあ・・・と、その時は思っていました。
後日、犬の散歩で前を通ると、近所の知人の方が
「ここ、花屋さんなのよ!この辺りには売ってない花とかもあるの、素敵よ」と
教えて下さり、そこで花のお店という事が分かりました。
東京には、ちょっと立ち寄って花を買いたくなるようなお店があります。
日比谷公園前のお花屋さんなど・・・
インテリアの雰囲気づくりに合う花や緑を置いてある店や、
ラッピングのセンスも良い花束を作ってくれる店も結構あります。
松本には、まだ少ないなあと思っていたのですが・・・
「FlowerDesignStudio 和花」は、そんな待ち望んでいたようなお店でした。
まず、店内の雰囲気がいい!そこにある花と室内の調和がいい!
勿論、花の質もいい!・・・大発見でした。
また宝箱にひとつお宝がふえた気分です。
器(シンプルで素敵な器が多くありました)に合わせた花や緑を
コーディネートしてくださるので、インテリアにも最適です。
今度は、陶芸教室で自家製?花器をつくって、花をアレンジしていただきたいです。
【5月11日追記】
今朝、新聞に入ってくる「松本タウン情報」にこの「和花」さんが
「この春二人でスタート」という特集に載っていました。
「洋服のようにその人に合った形で、洋服のようにお花のオートクチュール」
「花が場を和ませるように」とオーナーご夫妻のコメントを読み、
源池設計室の「家」に対する考え方と同じだ!と頷いてしまいました。
センスだけでなく、ポリシーにもますます惹かれました!

Vol.28
庭の害虫

2004.05.17
4月の半ば頃から事務所の庭の木々もやっと緑の葉を出し始めてきました。
毎朝庭に出ては葉の成長や花のつぼみを見るのが
ささやかな楽しみになっている私にショックな光景が・・・。
最近、葉が茂ってきたヤマボウシや花を咲かせたツツジにばかり気をとられていて
庭に端にあるツゲをまったくといっていいほど、
気にも留めていなかったツケがまわったのか、
小さなツゲの葉に細かな糸のようなものが絡み付いているのです。
最初はトヨゾウの毛が絡んだのかとも思いましたが、樹のあちらこちらで糸の塊があり、
さらによく見るとその塊の中に緑色のイモムシがじっとしているではないですか。
他の2本のツゲも見ましたがやはり同じように糸が絡み付いてイモムシがいるのです。
幸い最初の樹が一番ひどくおそらく数十匹、他のは5〜6匹程度。
とにかく気持ちが悪いのでどうしようかと考えた末、
ひとまず糸の絡んだ枝をすべて切り落として、
それでも残っていそうなところはチャッカマンをもってきて燃やしてみました。
これでうまくいったのかは解りませんが、とりあえずイモムシは全ていなくなったようです。
なんとも気持ちの悪い風体で緑の体に黒の斑点があり、黒い顔、
ビジュアル的にあまりイケてませんので、写真はあえて控えますが、
この虫はツゲノメイガというらしくツゲによくつき、年に2〜3回発生するようです。
こんなのが2回、3回出てきたらたまりません。
去年はサルスベリのカイガラ病とヤマボウシのうどん粉病に悩まされ、
今年は早々から害虫駆除とは・・・・・。

生活を豊かにし、安らぎを与えてくれる樹木ですが、
その姿をきれいに保ち健全に生育させていくのは、
なんとも手をかけ愛情を持って育てていかなくてはいけない
大変なことだと改めて痛感したゴールデンウイークの出来事でした。
Vol.29
「僕の家」

2004.05.24
先日、いつも事務所で流れているNHK-FMの小説朗読番組に聴き入ってしまいました。
大江千里著の「僕の家」というエッセイでした。
本も書くんだなあ・・・と思いながら最初は聴いていましたが、
子供の頃に住んでいたというニュータウンがどんどん広がっていく様子と
飼っていた犬(元は野良犬らいいですが)の子孫が
どんどんそのニュータウンに広がっていく様子のラップに
だんだん引き込まれ、早速、図書館で本を借りてきました。
大江千里(あまり曲は聴いた事なかったのですが)は、
自称「家フェチ」らしく、本の冒頭で共感してしまいました。
「・・・今まで住んできた家は僕の人生そのものである。
 僕が何を選び何を捨ててきたか。
 何を大事にしてきたか。そういうことだと思う」
「・・・その短い小さい世界での小さいこだわりひとつひとつが、
 その人にとってかけがえのない空間を創っていく。
 そしてそれが唯一の場所「家」だ。借りる、買うにたいした違いはないと思う。
 要は、どこにどう住むか」
「・・・住むとはどういうことなのだろう。
 ほんとの意味での衣食住のうちの住という部分。僕はすごく興味がある。
 人の豊かさとはいったい何なんだろう。
 お金がないと贅沢はできないという考え方はあるけれど、
 そうじゃない心の贅沢が別のどこかにひっそりと
 ごく普通に存在すんじゃないだろうか・・・」
そして、この小説を読んでいる頃、大江千里に似ているとよく言われるというTさんと
大江千里のファンだったというMさんとの楽しい出会いがありました。
Vol.30
クラフトフェア
まつもと


2004.05.31
昨日、一昨日は松本市のあがたの森にて「クラフトフェアまつもと」が開催され、
天気予報が外れ、二日間とも晴天で、汗ばむ陽気の中、多くの人が訪れていました。
今年で20回目を迎えるというこのイベントは、日本各地からクラフトマンが集まり、
陶芸やガラス、木工など各々の個性あふれる工芸作品が展示されます。
「日々の暮らしの中で、その生命の健やかな力強さをおし進めよう」というコンセプト。
毎年楽しみにしているので、早速、犬のトヨゾウと共に出掛けました。
各ブースを見て回るだけでも楽しいですが、今年の狙いは二つで、
まずは「アクセサリー」でした。もう一つは、「酵素玄米おにぎり」です。
いつも玄米と白米を半々に炊いて食べているのですが、
赤ちゃんでも食べられる消化の良い玄米の
「酵素玄米」は初めてでした。もち米の様なモチモチ感!クセになりそうです。
クラフト展20周年を記念して、松本市美術館では「素と形」展も開催されていました。
ハンガーや画鋲、スプーンなど、日常の何気ない「モノ」も
不思議と「アート」に変わっていました。来年も楽しみです。
Vol.31
コンバージョン

2004.06.07
□conversion
 
転換, 変換; 改造; 両替; 換算 ((of, from, to, into)); 転向, 改宗;
 転換[政変,改造,転向, 改宗など]の事例; 横領;
 【ラグビー・アメフト】コンバート.

最近話題になっている建築における「コンバージョン」とは主に「用途変換」と訳されます。
ヨーロッパにおいては、歴史的建造物を博物館にしたり、駅舎を美術館にしてり、
倉庫を店舗にしたりと、人々や社会が変われば、建物の使い道も変え、
利用し続けていくと方法が昔から行われていました。
日本では、オフィスを住宅へと用途転換することの意味で使われることが多いようです。
又オフィスから住宅へと再生された物件の事をコンバージョン住宅と呼んでいます。
特に都心では、過剰なオフィススペース供給の反面、
「オフィス余り」という問題がおこっています。
一方で、ライフスタイルの多様化によって、都心の高層マンションの売れ行きの
良さから分かる様に、都心で暮らしたいと考える人は増加傾向にあるそうです。
そんな両者のニーズや、従来のスクラップ&ビルドを見直そうと言う風潮から
「コンバージョン住宅」に注目が集まり、都心では色々な取り組みが行われています。
それは、東京や大阪などの都心だけの話・・・?
いえいえ、ここ長野や松本など地方においても、
中心部の空洞化や空ビルの増加などは同じく「課題」になっています。
街中という立地条件や、オフィスやテナントとして使われていた広い空間、
逆に面白い「住空間」になるのではないでしょうか?
現在、源池設計室では、テナントから住居への「コンバージョン住宅」の工事が進行中です。
6月末には完成予定、近くHPにアップしますので、お楽しみに!
Vol.32
「α;r134」

2004.06.14
先週の現在進行中の「コンバージョン住宅」の話です。
最初、築20年のRC造のテナントだった現場へ行った時、スチールの扉を開けると
何とも言えない味を出している古いスチールサッシが東南西の3面に広がっていました。
その何度か塗り替えられたスチールのサッシは、開く所と開かない所が半々でした。
最初の住居のイメージが、ジャン=ジャック・アノー監督(大好きな映画監督)の
「愛人/ラマン」のようなアジアの中の異国・・・をイメージしました。
映画では、フランス領下のインドシナが舞台でしたので、
部屋名も物件名もフランス語に変換してみました。
扉を開けると約20坪の空間なので、床はちょっと濃い目の色で、
無塗装の無垢フロアーに和墨を塗ろうと計画していました。
現場が進むに連れ、クリアの塗装のカバザクラのフロアが、仕入れ上都合が良く、
無塗装から急遽変更になりました。
その色合いも足ざわりも、文句なしです!イメージは180度変わりますが・・・
そして、住宅には多すぎる窓をどうするか・・・となり、色々と検討した結果、
波板で壁とともに一体にしたら?
波板と明るい色の無垢フロアー、オープンなキッチン、窓際の長い洗面カウンターetc。
イメージは「愛人/ラマン」というよりは、明るく清潔で健康的なものに変わりましたので
住宅名も「α:r134」(アール134)に変わりました。
海のない長野県ですが、湘南の海風が入ってきそうな雰囲気ですので、
海沿いの道「国道134号線」からこの名を取りました。
私の昔からの湘南への憧れもあるのですが・・・
この部屋をイメージした陶器の灯りも、先週焼き上がりました。
灯りもHPへアップしますので、(恥ずかしながら)お楽しみに!
Vol.33
ケストナー

2004.06.21
先週、友人に誘われ、塩尻市の「東座」で「飛ぶ教室」という映画を見てきました。
この映画館は、地方ではなかなか見る事の出来ないミニシアター系の映画を、
夜の時間帯を利用して、映画好きの人のために上映してくれているのです。
学生の頃は、ピーター・グリーナウェイ監督の「ZOO」や「建築家の腹」
「数に溺れて」の三本立てや、流行の「ニューシネマ・パラダイス」や
「バクダット・カフェ」など見に行きました。
東座の事はラジオなどでは聞いていたのですが、足を運ぶのは初めてでした。
「飛ぶ教室」は、ドイツの国民的作家エリーヒ・ケストナーの1932年に書かれた原作を
現代版にアレンジしたもので、ライプチヒにある少年合唱団で有名な寄宿学校を舞台に、
少年たちが「勉強よりも大切なこと」を見つけていくという話です。
見終わって、ほのぼのした気分にさせてくれる映画でした。
前日、この映画を恵比寿でご覧になったお施主様と、この話で盛り上がりました。
少年達のセーラーカラーに注目よ!と、アドバイスいただいた通り、
ちょっと野暮ったいデザインが、この少年達のあたたかさを表している様でした。
この原作も読みたくなりましたが、同じくケストナー原作で映画化されている
「点子ちゃんとアントン」や「エミールと探偵たち」も
ビデオを借りてきて見たいと思います。
また、この映画の協賛が「ステットラー」にも納得でした!
「飛ぶ教室」は好評につき延長され、昼間も上映される事になったそうです。
大人だけでなく、自分もそうでしたが「狭い世界」にいる子供たちにも見て欲しい一本です。
来月は「幸せになるためのイタリア語講座」と「ションヤンの酒家」を
上映予定だそうです。また、楽しみが一つ増えました。
Vol.34
緑と器

2004.06.28
最近、FlowerDesignStudio和花さんの影響で、我が家の室内の緑が増えました。
器と緑のバランスは、和花さんのオリジナルから、私のセレクトの両方です。
今週は一部をご紹介・・・
←ジグザグ  ←姫ワタスゲ
←とくさ   ←ウォーターレタス
これからの暑い季節、室内の一時の清涼剤です。
Vol.35
大きなテレビ

2004.07.05
この時期、大型電気店へ行くとボーナス商戦まっさかりです。
私にはあまり関係ないのですが、今一つ欲しいものを挙げるとすると大型テレビです。
先日兄の家の42型プラズマテレビで、流行のノンストップドラマ「24」を見ました。
ドラマの見所の1つ、同じ時刻に起こる複数の事件を俯瞰出来る
スプリット(分割)画面も大きな画面で堪能出来ました。
迫力も違い、大きくても映像がキレイ!
兄の家に行く度に、「大きなテレビいいなあ」と羨ましく思い、
自分で買うならば、プラズマ?液晶?なんて考えたりしています。
そんな中、TVのCMで「プロジェクションテレビ」なるものを発見しました。
EPSONの「リビングステーション」という製品で、
3LCD方式で生成された高精細映像を投写レンズで拡大し、
ミラーで反射させてスクリーンに映し出すそうです。
TVにプロジェクターが内蔵されているようなもの?
更にTV画面を印刷したり、携帯電話やデジカメなどの
メモリーカードとも繋ぐ事ができるらしいです。
10年以上前のテレビとビデオデッキを使っている私には、驚きです。
我が家を建てる2年前半、いつかはプロジェクターを購入し、
映画を見る為、1階土間の東側の壁はスクリーンになるように、
下のほうに小さな窓を付けるのみにしました。
時代、特に電気製品の流れは早いものだなあ・・・なんて感心してしまいました。
今のテレビが壊れたら、リビングステーションの57型・・・と夢を見て、
大きなテレビがもっと普及して、値段が下がって行く事を願うばかりです。
Vol.36
ラタトューユ

2004.07.12
昨日の日曜日は、久しぶりに自然の中で愛犬トヨゾウと共に過ごす事が出来ました。
朝方からの激しい雨も8時過ぎにはあがり、松本市内の自然あふれる渓流で、
友人ご夫婦+愛犬マルクくんと、野外ランチを楽しみました。
料理が専門の友人に、「ラタトューユ」を教わりました。
今まで私が作っていた「野菜のトマト煮込み」みたいなラタトューユ全く異なり、
夏野菜の味をふんだんに生かした料理でした。
作り方は、とてもシンプル。鍋に多めのオリーブオイルをいれ、
厚さ3センチの輪切りにしたズッキーニとナス
大きめに切ったピーマン、千切りの玉ねぎを炒めます。
野菜に火が通った所に、乱切りにトマトを入れて蓋をします。
トマトから水分が出たら、塩・こしょうで味を調え、完成です。
色々な野菜の味が調和した「ラタトューユ」は、絶品でした。
そんな美味しい食事を楽しみながら、ふと最近読んだ小説を思い出しました。
・・・人間が聞き取る事の出来る「可聴周波数」は、20ヘルツから20キロヘルツ位で、
   アナログレコードには可聴周波数以外の音も録音されていたが、
   CDには20キロヘルツ以上はカットされている。
   自然界には人間が聞き取る事の出来ない音が無限に存在し、
   脳とか皮膚とかでは聞いているんだ。
   森など自然あふれる中で人間は、リラックスした状態の脳波α波を発している。
   システムがレコードからCDに変わって、
   同じ音楽を聞いてもα波は極端に減ってしまったらしい。
   脳まではリラックスする事の出来ない今のデジタルシステム・・・
CDはレコードよりも音はきれいだけど、ちょっと冷たい感じがするなあと
思っていましたが、こういう事があるんだ!と納得しました。
と同時に、自然界には目には見えなかったり、
耳では聞こえないけれど、多くの「癒し」が実在するんだなあ・・・と。
まさに、この休日は、自然の風、川の流れ、緑の木々、そして最高に美味しい食事、
α波が出まくりの、本当の贅沢を味わってきました!
Vol.37
見せるキッチン

2004.07.19
私は、上手にキッチンの小物を見せることが苦手です。
雑貨屋さんなどで、おしゃれなキッチンツールを見つけ、とても欲しいのですが
使いこなせないなあと思い、買うのをあきらめます。
自宅のキッチンは、見える所にはモノを置かない「隠すキッチン」です。
なので、日常使うものを格好よくインテリアにしている「見せるキッチン」を
上手に使いこなしている人に憧れます。
最近、立て続けに2件、「見せるキッチン」を計画しました。
使われる方の「道具」や「配置」をお聞きしながらの打合せは私自身もワクワクします。
「ここのバーには、お鍋とおたまをかけて・・・」
「目の前に塩やこしょうの調味料置き・・・」
「この棚には、普段使う食器を・・・」
そして昨日、そのうちの1件が完成しました。
幅2,700、奥行1,000のオープンキッチン。このキッチンを囲って、人が集う空間。
キッチンの下にはワゴンを、使うモノ毎に、それぞれ使いやすい場所に置きました。
ワゴンは可動式なので、お掃除もしやすいです。
居間側は、半分は本やワイン置くスペース(棚板はまだついていませんが・・・)
もう半分には、カウンターチェアを置いて食事が出来るコーナーに。
「暮らし方」を楽しむ人が増えてきている事を、改めて実感しました。
このキッチンを囲んで、ご主人お手製のパエリアとコロナビールを堪能できる様に
早くカウンターチェアが届くのを楽しみにしています!
Vol.38
私のトイレ考

2004.07.26
Vo.02のマンデーコラムでも書きました、松本市で進めている学校のトイレの
5Kから3Aへの改修工事、市立幼稚園でも実施される事となり、
先日デザイン協力でコンペに参加いたしました。
前回中学校のトイレのプランを考えている時、
自分にとっての「中学校のトイレ」は?と思い出し、
必ず数人でトイレへ行ったり、鏡の前で新しく買ったリップを皆で試したり、
相談や告白もトイレでしたり、学校には持ってきてはいけない物も見せ合ったり、
古くて汚くて暗いトイレでしたが、大切なコミュニティの場所でした。
そんな思いからベンチや中心となるアイランドカウンターのあるプランになりました。
今回は幼稚園、どんなプランにしようかなあ?
私は、汲取り式のトイレが苦手です。
私の実家は、幼稚園の頃に建てたのですが、それ以前はトイレも汲み取り式でした。
子供の頃、3つ年上の姉に「どっぽんトイレに落ちた事あるんだよ」と言われ、
落ちた記憶はないのですが、落ちた夢を見る位、恐怖の対象となり、今でも入れません。
大人になって姉に聞いてみると、片足をつっこんだだけの様なんですが、
今でもトラウマになっています。
小さい頃のトイレ体験は大切なんだ!最初に恐怖をいだくとずっと引きずる!と
身を持って経験しているので、明るく楽しいトイレにしよう!
提案のパースに動物のイラストを入れました。
そのイラストは、幼稚園の先生だった姉に書いてもらいました。
トラウマの原因をつくった姉ですが・・・
Vol.39
富士山

2004.08.02
8月になりました。この暑い夏に思い出すのは、大学最後の年に登った富士山の事です。
ゼミ仲間4人で5合目に車を止め、8合目に一泊し頂上で御来光を眺めるという登山旅行。
まず5合目半で、私はダウンしました。
皆に「もうダメ。車に泊まるから、皆で楽しんできて・・・」と一言。
「ゆっくり行こうよ。頑張ろうよ!」と励まされ、重い腰を上げ皆に着いて行きました。
6合目、7合目・・・車がだんだん小さくなっていきます。
自転車ならば100km位走っていた私ですが、荷物は重いし、暑いしで、
山道を登って行くのは本当に大変でした。
8合目にようやく到着した時は、汗ダクでしたが、
山小屋で食べた夕飯のカレーは美味しかったです。そして何より感動したのは星空。
プラネタリウムなみの満点の星空ってこういう事なんだ!
それから仮眠をとって夜中の2時頃、8合目を出発し、頂上を目指します。
本当の大変さは、ここからでした。
頂上への山道は、登って行く人々の個々の灯りが列になって、
何とも幻想的だったのですが、感動も束の間、
登り坂のツラサに、寒さのツラサ、空気の薄いツラサが加わってきたのです。
とりあえず持っている物は全て身にまとい、顔もスカーフで覆い、
空気に触れる部分を極力少なくしました。
4人それぞれのペースで登り、だんだん明るくなり始め、
頂上では鐘の音が聞こえてきます。
もう朝日昇ったの?と焦りながら、ラストスパートをし、ようやく到着した頂上。
何とか御来光に間に合い、4人で拝みました。
しかし更に驚いたのは、頂上の火口の一周の長くて、起伏のある事!
頂上で終わりじゃないのかあ・・・と一瞬思いましたが、朝食のおにぎりを食べ、
気を取り直して、4人でGO。
測候所は更に小高い丘の上にあったので、私は地面に寝転びながら、下で待ちました。
一周した最後に昔好きだった歌手の「ザ・ベストテン」1位のプレートを持ちながら
記念撮影(ちょっと恥ずかしかったですが)
帰り道、4人で富士登山の大変さに「また来ようね・・・とは言えないね」と
笑いながら話しましたが、「一生に一度はいいよね!」の言葉に皆納得しました。
今でも富士山を見る度に、クサイ青春ドラマではないですが
「あそこに登ったから頑張れる」と勇気づけられます。
先週、一緒に登ったクラちゃんからメールが来ました。
彼女は5年前からロサンジェルスの設計事務所で頑張っています。
9月にずっと付き合っていた彼とマリーナデルレイで結婚式を挙げるとの事。
クラちゃんも遠いロスの空の下、ニッポンの富士山を思い出しているかなあ。おめでとう!
Vol.40
面白い

2004.08.09
先週の8月3日【大安】、これから工事の始まる「和音堂」さんの地鎮祭が行われました。
晴天の空の下、いつもよりは幾分風があり、過ごしやすい日でした。
お施主様ご家族は、ご夫婦と小学校1年生の娘さん。
神主さんは、松本市内の猿田彦神社からお越し頂き、工事の安全を皆で祈願しました。
私が工事の代表として「地鎮の儀・刈始めの儀」、
お施主様であるご主人が「地鎮の儀・鍬入れの儀」を行い、
そして、ご家族、工務店の社長、源池設計室それぞれが、「玉串奉奠」で、
玉串(さかきの枝にシデを付けたもの)を神壇にささげ、
二礼・二拍手・一礼の形で拝礼し、最後に「直会」としてお神酒を盃でいただき、
無事に祭典の終了となりました。
終了後、娘さんが普段見慣れない儀式だったので、「お父さん、おもしろかった」と一言。
すると神主さんが「おもしろいって言葉の語源知っているかな?」と問い掛けました。
さて・・・と考えていると、「おもしろいは、面が白いと書きます。
面は顔の事、顔が白い事、つまり死んだ人の顔を指すんです。
つまり「普通ではない」という事を表した言葉なんです。
平安時代は、そのように使われていて、時代と共に変化しました。
平安時代の人が「おもしろい!」聞けば、不信な顔をされますよ」と神主さん。
なるほど!と神主さんの「ウンチク」に感心してしまいました。
休日に「ラーメンズ」のDVDを見て、お腹を抱えて「面白いっ!」なんて笑っていれば、
ご先祖様がびっくりしてしまいますね。
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