Vol.141
犬印鞄製作所
2006.08.07
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先日、一ヶ月前に注文していた念願の「犬印鞄」が着ました!
今回お願いしたのは、モノグラム入りの図面袋(小)。
「小」と言っても、縦42×横52×まち幅4cmでA3ファイルがそのまま入ります。
モノグラムは、赤の刺繍糸で「GENti.aD.」と入れてもらいました。
aDはアシスタント・デレクターではなく、architect DESINGの略です(笑)。
犬印鞄の素材は帆船の帆に使う布、帆の中でも6号の厚手の生地なので、、何より丈夫!
使えば使うほど味が出てきます。
修理も受け付けてくれる事も魅力の一つ。
鞄のロゴになっている犬は救助犬。
救助犬の首には小さな樽が付けられ、
遭難した人はその中のウィスキーを飲むことによって生命の危機を乗り越えます。
戦後間もなく、物資のない時代に「救助犬の小さな樽」のような
大事なものを安全に運ぶための質実剛健な鞄に、犬と鞄を組み合わせたマークを付け始め、
昭和28年に商標登録されたそうです。
今回、私はインターネットで購入しましたが
リュックにもなる3Aバックや文庫カバー、キーホルダーを愛用している犬印マニアの友人は
浅草二丁目の犬印製作所へ足を運んだ事があるそうで、
「ここ?!」と通り過ぎてしまうほど、ひっそりとしたビルの2階で
作業場兼お店をやっているとの話し。
浅草へ行ったら、洋食屋ヨシカミと共に訪れてみたいです。
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Vol.142
フランス式階段工
2006.08.14
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各地への帰省ラッシュが始まったと思いきや、
もう今日は上り線での渋滞が伝えられています。お盆休みもあっという間です。
お盆前の8月10日は、松本市の筑摩神社、恒例花火大会です。
事務所から歩いて5分もかからない薄川で打ち上げられます。
今年もテーブル持参で、友人家族と花火の夕べを楽しみました。
しかし、家で一人取り残されたトヨゾウは悲しそうに泣いていました・・・
昨日は昨日で、一日中ほったらかしにされ、
思い返せば「最近、トヨゾウと遊んでないなあ」という事に気付き、
親バカながら今日は、「トヨゾウ孝行デイ」とし、久々牛伏川に行って来ました。
牛伏川上流には、「フランス式階段工」とと呼ばれる
長さ141m、落差23mの間に19段の小段を擁した空石三面水路があります。
大正7年に完成したフランス式階段工は、
フランスのデュランス川サニエル渓流にある施設を参考にしたのでこの名が付けられ、
「欧米かっ!」と突っ込みたいところですが(笑)
国の登録有形文化財に指定されています。
砂防の役割を果たしながら、景観にも馴染んでいます。
川で思い切り遊んだトヨゾウは、帰りの車ではぐっすりでした。
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Vol.143
てぬぐい
2006.08.21
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てぬぐい【手拭い】:(名)
手・顔・体などをぬぐうのに用いる布。
一幅(ひとの)の木綿を3尺に切ったものが普通。古くは麻布。
たのごい。てのごい。みのごい。(比)タオル・ハンカチ
先月、穂高のアザレアギャラリーさんにて企画展示されていた
「川上桂司 手ぬぐいの世界」へ行ってきました。
身近な様で最近は縁遠くなってしまった「てぬぐい」。
お祭りの時にねじりはちまきで使うか、
時代劇の下駄の鼻緒を切れた所にてぬぐいを口で裂いて・・・という場面でしか
お目にかからなくなりました。
御年89歳、浅草在住のてぬぐい染絵一筋の川上さんのてぬぐいは、
昔ながらの絵柄もありますが、ストライプやドット柄など斬新なものも沢山ありました。
ご本人自ら愛犬の柴犬と共に、スカーフとして、ぬぐいを首に巻いている写真も。
「粋」という言葉がぴったりです。
そんなてぬぐいの魅力に惹かれて、友人と3人で色違いを購入し、
その翌日、陶芸教室のまどの暑気払いに「松本てぬぐいーず」と称して
首に巻いてお披露目しました。
自称「下町育ち」の私にとって、今はお気に入りアイテムの一つです。
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Vol.144
映画
2006.08.28
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昨日の午後は、久々、自宅の土間で映画を楽しみました。
ツタヤで借りてきたのは、前から見たかった「Always三丁目の夕日」と
大好きな「未来世紀ブラジル」のテリー・ギリアム監督の「ブラザーズ・グリム」の2本。
レンタルビデオ店へ行くと、いつも「何を見ようか」ワクワクしてしまいます。
生まれて初めて見た映画は、小学校の低学年の時の「スヌーピー」
初めて子供同士で見た映画は、小学校の卒業記念で行った「1000年女王」
初めてのデートで行った映画は、中三の時の「愛と追憶の日々」
初めてハリウッドを感じた映画は、高一の時の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
初めて一人で観に行った映画は、高二の時の「微熱少年」
初めて映画館で眠ってしまった映画は、「ウォール街」
初めて松本で観た映画は、「ラ・マン」
映画は、いつの頃からか自分にとって身近なものとなっていました。
いっぱい映画が観たくて、学生時代レンタルビデオ店へ2年間アルバイトしました。
アルバイト仲間も映画好きが多く、ケンカする位、映画談議に花を咲かせました。
その時一緒だった二人は、今も社員として映画の近くにいます。
「いつかは家のソファに寝転び、プロジェクターで映画を見たい!」というのが
家を建てる時の欠かせない希望でした。「土間一面に白い壁」は、その為のものです。
去年、念願のプロジェクターが我が家にやってきて、
昨日の休みは、映画三昧に浸ることが出来ました。
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Vol.145
ハチドリのひとしずく
2006.09.04
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日本の若者の間で「ハチドリのしずく」という南米アンデスの先住民に伝わる話が、
静かなブームになっていると、先日NHKのニュースで紹介されていました。
こんなお話しです。
森が燃えて、森の動物たちがわれ先に逃げている中、
ハチドリのクリキンディが、くちばしで水をはこび、火を消そうとしています。
動物たちは無意味だと言って笑いますが、クリキンディがこう答えます。
「私は、私にできることをしているだけ」
・・・とっても短いお話しですが、このお話しに共感した大学の教授が翻訳をし、
これにまた感銘を受けた坂本龍一氏やC・W・ニコル氏など多くの人々が
「私は、私にできることをしている」というメッセージを添えて、1冊の本として出版され、
「古くてあたらしいお話し」として多くの支持を受けているそうです。
いま、私に出来ることは何だろう・・・
信州でも、夏の日差しが、じりじり焼き付けるように感じます。
観測史上初めて・・・という言葉を毎年聞くようになった異常気象。
確実に、地球は温暖化しています。
では、Co2を減らすのに、ちっぽけな自分に何が出来るだろう。
ペットボトルをリサイクルする、近くならば車を使わず歩く、電子ジャーの保温をやめる、
マイ箸をもつ、冷房の温度を一度上げる・・・
自分がしていることは何の足しにもならない・・・なんて考えない。
この色々考えさせてくれる本を昨年、お施主さんから頂きました。
静かなブームになっていると聞き、嬉しく思いました。
多くの人が少しでも、ハチドリが水を一滴たらす様に、自分にできる事を考え、
実行している事、私達も続けていきたいです。
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Vol.146
玄向寺
2006.09.11
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昨日は、秋晴れの中、地区の行事「ウォークラリー」に参加しました。
あがた児童館から、美ヶ原温泉の北側に位置する玄向寺まで、
川沿い遊歩道、約2.5kmのコースです。
この遊歩道は、「みんなで本を読む家」さんや「Hilltop」さん「風樂舎」さんの
現場へ行く時のサイクリングコースでもあり、サクラの名所です。
玄向寺は、別名「ぼたん寺」。4月下旬から5月下旬が見頃だそうです。
100人を超える参加者、残念な事にタバコのポイ捨てをする人や歩きタバコの人も・・・
子供たちも参加しています。モラルのない行動は謹んでほしい!
と苦言と怒りモードのスタートでしたが、色づく稲穂の中を歩いていたら、
だんだん景色を楽しむ事が出来ました。
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Vol.147
テレビ台
2006.09.18
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ブラウン管のテレビから、液晶テレビに買い換えて3カ月、
ようやく、我が家のテレビ台が完成しました。
オークションで購入した「学校の理科室の椅子」を脚にして、
幅18cmのパイン材の板を2枚渡して完成です。
板の色は、テレビ台隣りの祖母の形見の引出しと椅子に合わせて、濃い目の茶色に塗装。
テレビやビデオの配線を、ユーカリの木で隠します。
2倍に成長した「ジグザク」や器なども並べて、季節に合わせて楽しみたいと思います。
シンプルだけど、なかなかよく出来た!と満足です。
学校の椅子のちょうど足をかける所に、もう一枚板を渡そうか・・・検討中です。
とりあえず、クラフトフェアで購入したブナの無垢板を置いてみましたが・・・
埃だまりにもなるので、陶芸教室の作品が増えて
置き場所に困るまで、おあずけにします。
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Vol.148
烏帽子岩
2006.09.25
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先日、松本市と旧丸子町を結ぶ三才山トンネルの上を横切る蝶が原林道へ
大好きな四駆車でドライブにお誘い頂き、行って来ました。
美ヶ原・武石峠から旧四賀村の保福寺峠を結ぶ林道です。
松本市内を流れる女鳥羽川の源流で、烏帽子権現が奉られている烏帽子岩へ。
林道から「烏帽子岩登山口」の標識を入り、一部急な山道を上ると、
松本市内を望む岩場へ、そしてその下に天に突き上げる様な岩。
大迫力です。
古くから雨乞いもされていたそうです。
天気が良ければ、北アルプスも望む事が出来ます。(残念ながらの曇り空・・・)
運動不足の私には、15分ほどの山道も息が上がるほどでしたが、
烏帽子岩を眼下に眺めながら、「旅のとも」でお茶をいっぷく。
茉莉花茶の味も格別です。
2年+6年半も松本にいながら、知らなかった烏帽子岩。
松本インター近くのショッピングセンター「ライフサイト渚」からも
遠くに松本平を見守る烏帽子岩の姿を眺める事が出来ます。
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Vol.149
事務所前
2006.10.02
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先週、事務所前の敷地の現場で、無事上棟を迎える事が出来ました。
限られた幅の細長い敷地、光の採り入れ方や外壁の施工方法、ファサードの見せ方・・・
考えられる可能性を私たち二人、そしてお施主様、皆で話し合い、
模型で確認し、そして棟梁をはじめ大工さん達のおかげで目の前に形となりました。
土間から、まじまじと眺めていると一通のメールがきました。
高校時代の友人でした。
気になる敷地があるんだけど・・・との相談でした。同じく20坪を切る敷地。
敷地の形状や用途地域と共に、「敷地を無視した希望」と題した要望。
そうなんです。最初は敷地も予算もがっちり考えず、
家に対する思いをぶつけて頂きたいのです。
「そんなの無理・・・」なんて最初から思わず、少しの可能性でも見つけたい!
色々なご要望をなるべく多く取り入れたい!優先順位を一緒に考えたい!のです。
早速、友人の希望の敷地をネットで検索すると、私の大好きな町、両国界隈でした。
私が住むのだったら、毎朝、自転車に乗り、
井筒部屋、錣山部屋、出羽の海部屋、二所ケ関部屋、時津風部屋、
朝稽古めぐりをするなあ・・・
相撲茶屋寺尾、ちゃんこ巴潟、力士料理琴ヶ梅、ちゃんこ霧島にも歩いて行けるなあ・・・
隅田川の花火で生ビールもいいなあ・・・
相撲茶屋寺尾の手羽先のから揚げ、また食べたいなあ・・・
などなど、勝手な想像をしてしまいました。
またまた楽しい課題を頂き、夫婦二人の夕食は、どんな家にしようか、美味しい酒の肴が一品増えました。
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Vol.150
吸い込まれる絵
2006.10.09
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9月の半ば、何気なく見ていた「新日曜美術館」で見たのが初めてでした。
石田徹也氏、昨年31歳で急逝した画家。
ひと目見ただけで、吸い込まれるような絵でした。
虚ろで、寂しげな目の本人がモチーフと言われている青年が、
日常にあるものの中の非現実的な描写の中で、
不安や心の叫びを表している様に思えました。
そして、ネットで彼の事を検索、
同じ様にテレビで彼を知り、衝撃を受けた人が多い事に、また驚きでした。
活動の軌跡を追った遺作集を購入したく探しましたが、
品切れが多く、昨日やっと予約していた本が届きました。
一番好きな絵は、表紙にもなっている「飛べなくなった人」です。
・・・結局絵って見る人によるんです。
どんな風にでも。その人の生きていた時間とか、
その時の感情とかで、絵は絵じゃなくなるんです。
僕の絵を見て、笑っている、怒っている、悲しがっている・・・。
そういう人が同時にいるのが理想。
何かずーっと描いていて、描くのが僕だって思う。
描かないと僕じゃないような・・・。
雑誌に掲載されていた彼の言葉が載っていました。
吸い込まれるような絵なのに、見る人がそれぞれ思ってくれればいいという
押し付けの感情が入っていない所も、私にとって魅力の一つかもしれません。
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