GENtiArchitectsDESIGN モクジヘモドル
Vol.01
脇田美術館
建築ワークショップvol.1


2003.10.29
2003年10月25日
軽井沢駅から旧軽井沢に向かう木立の中に大きな弧を描いたタイル貼りの壁を持つ
脇田美術館がある。
この美術館は昭和の洋画壇において、私的な詩情に満ちた世界を築いた画家、
脇田和氏の美術館であり、建物の設計は脇田氏自らも参画し、
KAJIMA DESIGNによるものである。
その美術館の裏側に中庭を囲み、脇田氏のアトリエ山荘がある。
正確にいうとアトリエ山荘があり、の敷地の中に山荘と中庭を囲むように
美術館が建てられたのである。
このアトリエは吉村順三先生の設計によるもので
(吉村順三作品集1941-1978 の表紙にもなっている)
1階部分をコンクリートの柱で持ち上げ2階部分に居住スペースを配置している。
2階の内部に入るとそこは、まさに吉村ワールドであり、
木、石、布、そして素材としての開口部が絶妙なバランスで存在し、
天井の高さ、部屋の大きさ、窓の位置その全てが、入るものに落ち着きと
安らぎを与えてくれる。
温かみのある空間である(今日は特に寒いから余計そう感じる)
建物中央部分にリビング、キッチンなどのパブリックスペースがあり
そこには赤いソファーと青いソファー、そして暖炉があり、
その左右にプライベートスペースとアトリエがあります。
そのどの部屋からも中庭の木々を望むことが出来、この時期には
紅葉した枝葉がまぶしく光っておりました。
Vol.02
デザインのきっかけ

2003.11.04
私は昔から海外ドラマが大好きで、「奥様は魔女」に始まり、
「ファミリータイズ」「ナイトライダー」「こちらブルームーン探偵社」
「ビバリーヒルズ90210」「ツインピークス」「ER」などなど。
自動車教習所に通っている時は、ナイト2000の様な車がないものかと真剣に思いました。
5年前には、ビバリーヒルズ青春白書のロケ地巡りのツアーに参加し、
「ウエスト・ビバリーヒルズ高校」(実際はトーランス高校)
グリフィス天文台、カリフォルニア大学(実際はオキシデンタル・カレッジ)、
マッケイ邸やウォルッシュ邸などTV画面で見ていたものを実際目の前にし感動しました。
最近は、「フレンズ」を欠かさず見ています。
昨年ですが、松本市内の某中学校のトイレ改修工事のコンペに参加し、
デザインが採用になりました。
5K(臭い・汚い・暗い・怖い・壊れている)イメージの学校トイレを、
3A(明るく・安心・愛される)へというコンセプトで、
松本市がすすめている環境整備事業ですが、最近は全国的にも多く見られます。
出入り口部分にガラスブロックを使い、明るく開放的にし、
中央にアイランド型の洗面カウンターを設け、コミュニティーの場という要素を加えました。
又、設備機器(便器や洗面器など)や内装は、生徒たちと一緒に決めました。
そのメインとなる「洗面カウンター」ですが、海外ドラマからヒントを得たのでした。
ドラマ「アリー・マイ・ラブ」でケイジ&フィッシュ法律事務所のトイレは男女兼用です。
ジョンのテーマソング、バリー・ホワイトの曲が流れ、例のトイレダンスを踊ったり、
個室の奥に本当の「個室」があったりと、ドラマでは欠かせない場所になっていました。
そのトイレにある洗面カウンターがとてもお洒落で、気になっていました。
そして、中学校のコンペのデザインを考えていた時、
こういうコミュニティーの場があったら面白いのでは?と思い、
そこからプランを作成しました。
デザインのきっかけは、何から生まれるか分かりません。
長年の趣味から生まれるとは・・・
Vol.03
オープンハウス見学

2003.11.11
先日、テレビなどのリフォーム番組でお見受けする建築家の先生の見学会へ行きました。
白で統一されたすっきりとしたデザインで、光と風をふんだんに採り入れた住宅で、
住まわれる方も大喜びでした。
2階はロフトを含めワンルームで、家族の成長に合わせ変化できるようになっていました。
設計された先生も「住宅という概念を捨てて見て下さい」とおっしゃられていました。
まさにその通り!家も家族と成長していくのものだ!と同感しました。
ひと昔前なら、家族の人数分部屋がありました。
しかし、子供が小さいうちは、部屋としての機能を果たさず、
納戸などになってしまう家をよく見ました。
部屋が必要になったら増やしていく・・・その方が、何時でも、
その時最も有効に使えるのではないでしょうか?
我が家ですが、同じく寝室を除いて、土間を中心としたワンルームです。
客間というスペースはありません。
しかし、お酒好きの二人は、月に1度は自宅で
「ホームパーティー」(というか宴会です)を友人や家族を招き行っております。
そうなると、勿論泊まって頂くのですが・・・
皆さんには、階段を上がった土間を見下ろせる
フリースペースに寝ていただいております。仕切り等はありません。
うちに泊まる人は、おそらく一般的な「客間」という概念を
持っていない人ばかりなのが幸いしているのだと思います。
我が家に遊びに来てくれた人に、帰り際、玄関でポラロイドを撮りアルバムにしています。
「家」の成長と共に、大切な「財産」になっています。
Vol.04
小さな家の
大きな部屋


2003.11.18
最近の住宅事情により、市街地などでは10数坪〜20数坪の
まさにネコの額のような住宅地が良く見られます。
日本の伝統的な家屋の形態として、家の中を壁やフスマで仕切り、
幾つかの空間に分けるような部屋の作り方がよくありますが、
小さな家でこれをやってしまいますと、視覚的にも物理的にも狭く、
住みづらい家になってしまいます。
ところが、この部屋を仕切っている壁を取り払うと、
びっくりする様な空間が現れるでしょう。
例えば、1階が15坪の家だとしても、間仕切りせずに一体空間にした場合、
東側の壁際にご主人が、西側の壁際に奥様が立って向き合ったとしても、
二人の間は9mぐらい離れるでしょう。
家の中で、9mも見渡せるとしたら、狭さを感じる訳もありませんし、
空間をどの様にも有効に使う事が出来るでしょう。
最近では、木造住宅でも、サッシも気密性も以前より向上しているし、
高断熱化もかなり進んでいるので、長野県のような寒冷地でも寒さを感じる事無く、
広く、光が降り注ぐ明るい部屋を作ることが出来るのです。
いくら小さな敷地でも、小さな家でも、可能性はどんどん広がるでしょう。

Vol.05
家づくりのパーツ

2003.11.25
先日、雑誌で「家づくりのパーツブック」という特集を目にしました。
「椅子やテーブルなど家具選びには一生懸命なのに、
なぜドアノブやフックや金具はおろそかにしてしまうのか」と始まり
ドアハンドルや洗面ボウル、コートフックなど、色々なデザインのものが、
どこで購入できるかなど、詳しく載っていました。
全くその通り!と頷いてしまいました。
外壁や内装の仕上、設備機器だけではなく、家に関する全てのパーツは選べるのです。
自由設計と言いながらも制限のあるハウスメーカーと、
設計事務所ではそこが大きな違いなのです。
洋服でいえば、既製服とオートクチュールほどの違いです。
ドアの取手にかんざしや着物の帯締めを使う事も、
照明器具にワインのボトルを使う事も、洗面ボウルに自分で作った器を使う事も、
工夫次第で住宅のパーツになりうるものは、無限大にあるのです。
ハウスメーカーのように、会社は違っても、基本的に同じ様に見えてしまうのは、
パーツやデザインに既成概念が働くからではないでしょうか?
最近では、「デザイナーズ」などと言って、
ハウスメーカも差別化をはかり始めているようではありますが・・・
そういう流れになってきたのも、家を建てる人々が
「個性」を主張する時代になってきたからでしょう。
私もその雑誌を見て、早速、東京の恵比寿駅から歩いて5分位のお店で、
スイッチプレートを購入し、付け替えました

昨年、自宅の工事の時、自分たちで外壁のモルタルを掻き落したり、
内部の塗装をした事を思い出しました。パーツだけでなく、
手を加える事によって、色々、家づくりを楽しむ事が出来る事を・・・

Vol.06
キッチンが
美人をつくる


2003.12.02
もし洋服を買う時にあなたの体にぴったり来ない既製品の洋服でしたら
いつまでも体に馴染まず、何かしっくり来ないものです。

キッチンも同じで、既製品の台所で自分の身体寸法にぴったり合わないものを
長年使い続けると、疲れやすかったり、姿勢が悪くなったり
思わぬ所が痛くなったりと、いつの間にか体に負担が掛かっている事になります。
先日、オーダーキッチンのメーカーへ行き、キッチンを製作して頂きました。
自然素材や使い手の体に合わせたキッチン家具には定評のある所で、
キッチンの高さを決めるにあたり、主にキッチンを使われる奥様に
シンクの前に立って頂き、シンクに手をかざし、腰が曲がらずに
洗い物が出来る状態になる様、床に板を敷き、その上に乗って高さを調整するのです。
これでシンクの深さや食器を実際に洗う高さを考慮したカウンターの高さが決まります。
次に作業台ですが、ここでは包丁で食材をきる動作や
コンロでフライパンを使う動作をして頂き、最適な高さを決めます。
するとシンクカウンターで作業台カウンターの高さには6〜8cmの違いが出てきます。
一口にキッチンと言っても、そこでの作業は多岐に渡りますから
それを全て同じ高さのカウンター上で済ますのは、やはり無理があるでしょう。
ですから自分の最適寸法を知り、身体にマッチしたキッチン寸法にする事が
身体や姿勢によく、更には美人にもつながるキッチンなのです。
Vol.07
看板完成

2003.12.08
昨日、ついに設計事務所の看板が完成し、取付が完了しました。
法律で決められている標識看板は、事務所登録後にすぐに取り付けたのですが、
事務所の「顔」となる外部看板は3ヶ月半かかってしまいました。
それは、デザインが決まらなかったからです。
まず、素材を何にするか?迷いました。ガラスにするか、アクリル板にするか、
ステンレスにするか・・・色々な事務所や店舗をまわったり、
雑誌やHPで探したりと、あれこれ考えました。
取り付ける場所は、格子戸の前のコンクリートの壁と決まっていましたので、
そこに一番合うもの・・・という事で、ステンレスのヘアラインに素材は決まりました。
次に厚さです。これは、金額にも関わってくる事なので、専門の方に聞きました。
そして、取付方法です。少し浮かせて取り付けたいと思っていたので、
それをどうするか悩みました。
金物で浮かせるか、後ろに箱状のものをかませるか、
L字型のアングルで持たせるか・・・
雨水などもたまらなくするには・・・やはり、金物で取付ける事に決めました。
最後にロゴです。右上に事務所名、左下に名前にしようか、
真中に配置しようか、「一級建築士事務所」とつけようか、
表札かわりに住所ものせようか・・・
決定したのは、一番シンプルで、少しアクセントのあるものになりました。
最後はシンプルなものが、自分達に一番しっくりし、
また、家づくりと同じなのだと、つくづく思いました。
Vol.08
百竹亭

2003.12.16
松本城の堀を隔てた北側にこの池上百竹亭がある。
今は文化交流の場として開放され、
お茶会や生け花の稽古などに利用されています。
この建物は故池上喜作翁の屋敷として、伊勢町に建てられており
当時は池上商店という呉服屋を営んでおられました。
その呉服屋の奥にあった住宅の2階部分4室あった内の3室を
現在の場所に移築したのです。
移築当時は東西に長く建てられていた建物も庭園や茶室の計画により
南北に向きを変え現在に至ります。
縁側から庭に目をやると、静まりかえった静寂の中にも、
風や空気の流れを感じさせてくれる竹林や、
季節の移ろいを感じさせるヤマモミジやヤマボウシがそれぞれの違った
時間の流れを感じさせてくれます。
Vol.09
犬穴

2003.12.23
先日、現在進行現場の「T&U住宅」の内部ドアに犬穴がつきました。
我が家にも8歳になる愛犬「トヨゾウ」がいます。これがまた、大変臆病者で・・・
子供の頃、用水路に落ちて以来、側溝などのそばも歩きたがりません。
我が家のFRPグレーチングの上もきっと歩けないでしょう・・・
お風呂で洗われるのが嫌いで、家の中には入ろうとしません。
雑誌の撮影の時も、カメラマンさんに「土間に犬がいると絵になるんだけど」と言われ、
嫌がるトヨゾウを無理やり、家の中に入れ、写真を撮って戴きました。
また、埋橋に来て1年、近所の動物病院にお世話になっているのですが、
どの方向から行っても、病院の通りへは頑なに拒否をします。
うちのトヨゾウだったら、犬穴を通るだろうか・・・
臆病者のトヨゾウは、トラウマ的な臆病さなので、最初が肝心なのかもしれません。
そこを通ると楽しい事が最初にあれば・・・
「T&U住宅」のミニチュア・ブルテリア君も、
無事に第一歩を踏み出してくれることを祈っております。
1階にいる猫のキョウちゃんの専用の穴になってしまったら、
犬穴ではなく、猫穴になってしまいますので・・・
Vol.10
2003年

2003.12.30
世界のさまざまな研究機関で、
「ユーモアと笑いは、ガン予防・治療に効果がある」と発表されています。
笑うと体内のNK細胞 (免疫を担当するリンパ球の一種) の活動と数が増加し、
ガン細胞やウイルスを攻撃し、ガンに対する抵抗力を高めたり、
心臓病の治療や予防、また、不眠症にも効果があると言われています。
2003年もあと2日ですが、今年もいっぱい笑って、
健康な一年だったなあ・・・と思います。
設計事務所を開設したという大事な節目の年でもありましたが、
色々な人々と、いっぱい飲んで、笑って、
時には語り合って
楽しい時を過ごせた事が何よりも財産になりました。
今年も新しい出会いが沢山ありました。
そして、HPを見てくださった方々とも出会えて嬉しく思っております。
来年も宜しくお願い申し上げます。
大晦日は、事務所にて仲間と紅白を見ながら「オセロ大会」です!
最後の日まで、笑いがたえそうにありません・・・
(YOKO)

平成15年は何といっても、源池設計室として稼動し始めた年。
それまでの事務所として設立する前も同様の仕事内容ではありましたが、
改めて建築設計事務所として活動し出すとそれは私達の内面的な意味でも又
社会的な意味でもまったく違ったことであります。

まさに今年は、今後の飛躍のためのスタートの年でした。(SHINYA)
Vol.11
初めての
オープンハウス

2004.01.06
あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
トップページにもご紹介しました通り、1月24日(土)AM10:00〜PM5:00、
千葉県市川市にてオープンハウス(見学会)を開催いたします。
8月に事務所を開設しまして、記念すべき第一回目のオープンハウスとなります。
誰か来てくれるだろうか・・・と、今から大変ドキドキしています。
でも、今は本当に幸せな時代だなあとつくづく思っています。
昔と違って、インターネットによって多くの方々にHPを通して
作品を見ていただいたり、オープンハウスのお誘いなどもこの様に
知っていただく事が出来るのですから。住宅展示場とは全く違います!
私たちが、この様な住宅をつくりました・・・というお披露目です。
住まいについて考えている方もそうでない方も、
「こんな暮らし方があるんだあ」とか「住宅にこのデザインも面白いなあ」
などなど、何かのご参考になれば幸いです。お気軽にお越しください!
メールもしくは電話・FAX等ご連絡いただきましたら、詳しい地図をお送り致します。
心よりお待ち申し上げております。
Vol.12
今日の天気

2004.01.13
今日の松本市は午後になって久しぶりの雪になりました。
松本の本来の気候は低温で雪の少ないはずですが、
ここ数年は近年稀に見る程の降雪量でした。
しかし今シーズンはやっと本来の気候にもどったような気がします。
そうは言っても雪国の長野県ですから、建物も積雪への対策が重要になります。
構造的に積雪の加重を見込んだ構造計算をし、雪の降らない地方の
構造に比べるとやはり、柱梁が多少大きくなりますし、
何といっても「スガモレ」対策は重要になります。
屋根に雪が積もった状態で室内を暖房で暖めると真下が部屋の屋根部分は、
暖められ雪が溶け出し、軒先部分は屋根が冷えたままのため雪が解けずに
山になってしまい解けた雪を堰きとめてしまうことがあります。
これにより屋根の継ぎ目から水が染み出したり、
毛細管現象により水を呼んでしまうことがあります。これが「スガモレ」です。
やはり雪国においてはこのようなトラブルを防ぐ為にも
シンプルで単純な形状にすべきだと思います。
デザイン面でもシンプルな方がきれいですが性能の面でも
欠点を作らないことに繋がります。
Vol.13
松本の映画館

2004.01.20
先日、久しぶりに映画館へ行きました。大きなスクリーンで見るのは1年ぶりです。
ジム・キャリー主演の「ブルース・オールマイティ」。
大好きなジェニファー・アニストン目当てで見に行きました。
「フレンズ」同様、やっぱり可愛かったです。ブラピが惚れるのも納得です。
この界隈にも「シネコン」があります!松本市でなく山形村にあるのですが・・・
清潔な劇場内、ゆったりとした椅子、見やすいスクリーン、
入れ替え制で時間的なゆとりがある事、シネコンへ行ってしまうと、
普通の映画館へは行きづらくなってしまいます。特に松本市の映画館は古いので。
しかし松本の映画館にも自慢できるところがあります。
それは、ショートショートフィルムフェスティバルが開催される事です。
大都市で開催される事が多いこのイベントで、松本は頑張っています。
松本にゆかりのある映画監督などのトークセッションもあり、毎年楽しみにしています。
一つ大きな望みは、このファスティバル2003で、函館会場のみで上映された
Jam Filmsの「机上の空論」を2004では、松本でも上映してくれる事です!
Vol.14
オープンハウスを
終えて・・・


2004.01.27
さき一昨日の24日の土曜日、
千葉県市川市にて竣工した2世帯住宅のオープンハウスを開催しました。
わが事務所のとっての記念すべき「第一回目」となりました。
どんな方が来てくれるだろうか?何人くらい来てくれるのだろうか?
・・・と資料をつくりながら考えていました。
ドキドキしながら当日を迎えましたが、
開始時間の30分後に第一号のお客様が見えてくださり、
ホッとしたのも束の間、夕方6時まで多くの方がお越しくださいました。
工事中気にして見ていてくれた近所の方々、
これから家を考えているという方々、今実際家を建てられている方々、友人たち、
そして主人が学生時代勉強させていただいた尊敬する設計事務所の先生&所員の方々・・・
お忙しい中、本当に有難うございました!
色々なお言葉をいただき、私達も勉強になりました。
これからも、色々な住宅を建てていきたいと思っています。
そして、この様な機会を設けられれば幸せです。
Vol.15
オーガニック旅館
「銀座吉水」

2004.02.16
先日、10年ぶりに大学の友人たちと会う事となりました。
場所は、銀座1丁目にある「unDining(アンダイニング)」という和食と
フレンチの融合の新しい“ヌーベル懐石”のお店で
たびたび雑誌などでも紹介される人気のお店です。銀座へ行くのも何年ぶりだろう?
数年前のお正月に「ラブ&デス」という映画を見に行き、
その帰りに日本橋まで歩いて、箱根駅伝を応援に行ったのが最後かもしれない・・・
皆に会えるのも楽しみの1つでしたが、銀座へ行く事も大きな楽しみの1つでした。
ぐるなびで地図をプリントアウトし、「銀座柳通り」から1本入った所だなあ・・・と、
地下鉄の駅を降りてスタスタ歩きました。
しかし、なかなか見つからない!人に聞くのも恥ずかしいし・・・と歩き回っていると、
ふと竹の格子戸が目に入りました。
こんなビル街で?と思い、よく見ると立て掛けられた小さな板の看板に
「吉水」と書かれていました。思わず「ここかあ」と頷いてしまいました。
以前、私の母が習っている源氏物語の近藤先生がここで講演をされ、それを見に行き、
「とてもいいわよ」と絶賛していたのがここ「銀座吉水」だったのです。
オーガニック旅館として昨年オープンし、内装では化学建材を廃し、
壁には珪藻土、竹のフローリング、和紙を編み込んだ紙布の天井、
無農薬栽培のイグサで作られた畳など本物の素材にこだわり、
布団は肌にやさしいオーガニックコットン、食事は全国の無農薬素材を
集めた美味しい家庭料理・・・とこだわりの和の宿。
シンプルな客室にはテレビや電話、冷蔵庫、アメニティグッズは置かないそうです。
お店が見つからずに焦っていた中、ふと見つけた和みの空間。
灯りのない山奥でみつけた一軒家の様な感じでした。
時間があったら、中を見たい!と思いましたが、こんな素敵な空間は、
ゆっくり時間を忘れて楽しまなければ勿体無いです。
今度は是非、宿泊で訪れたいです。
そんなこんなで、やっと「unDining」の目印の大きな扉を見つけ、
懐かしい友人たちと楽しい時間を過ごしました。
10年ぶりなんて嘘のようで、昨日もキャンパスで会っていたような感じでした。
建築という同じ道に進んでいるのですが、
皆それぞれ頑張っていて、励みになりました!また美味しいお酒を飲みましょう。
Vol.16
敷地に立って
考える事
2004.02.23

住宅の設計をするにあたり、すぐに家の形や間取りを考え始めるのではなく、
まずは、その敷地を調査し環境を知ることから始めます。
それは、周囲を取り巻く環境、つまり太陽の出る方向や風の流れ方、
道を通る車や量そして時間、子供も含めた通行人に至るまで、
その土地に関する事ならば、何でも、出来る限り多くのことを調べるのです。
些細な事でも、住み始めて毎日の事となれば、
それはとても重要な事になるのですから・・・
陽の当たっている時間や方向、どのあたりまで差し込むか、
おのずとそこに置きたい部屋が見えてきます。

一般的には一番長く陽が当たる場所は、リビング等の人が集まる場所が良いでしょう。
ここ「源小庵」に於いては、家の核となっている多目的な空間「土間」と、
土間の吹抜と一体化している「フリースペース」です。
そして、その陽を取り入れるのに重要な鍵となるのが、「窓」です。
陽の差し込む角度や、それを遮る近隣建物の状況を考え、
窓の大きさや高さ、位置を検討します。
今回の場合、南側には近隣住宅が迫っていましたが、
プライベートを守る事よりも気持ちの良い日差しを取り入れることを優先し、
南側に極力大きな開口部をとりました。
敷地東面はやや通行量の多い6メートル道路に接しており、
反対側には3階建てマンションのベランダがこちらに向けて
口をあけて建っているので、朝陽を採り入れる為に東側に窓を設けたい所ですが、
落ち着いた空間を造るため、東面は大半を壁で遮りアクセントの
丸窓と風の通り道となる地窓のみにしました。
そして道路とは逆の静かで落ち着く西側にダイニングやキッチンを配置しています。
敷地を取り巻く環境によって、自然と部屋の配置が決まってくるのです。
Vol.17
源智の井戸

2004.03.01
昨日2月29日、松本市の中心にある「源智の井戸」の「大井戸祭り」が行われました。
この井戸は、江戸時代の「善光寺道名所図会」にも名水と紹介されているいます。
しかし、戦後枯れてしまったそうで、地元の方々が復活を松本市に申請、
1989年市がボーリング工事をし、水が湧き出るように整備したそうです。
そして住民有志の「源智の井戸を守る会」の方々が
ボランティアで井戸周辺の掃除などをしているそうです。
この事は、先日新聞で知りました。
井戸はずっと前から枯れる事無く湧き出ているものばかりかと思っていました。
私も埋橋へ越して来てから1年半あまり、この井戸水にお世話になっております。
コーヒーや味噌汁、ご飯を炊いたりするのに使うのは勿論、
にがりと混ぜて化粧水にも使っています。
引越して来た頃はアトピー性皮膚炎がひどく、医者にも通い、色々悩んでいましたが、
このお水を飲むようになり症状が治まり、今ではびっくりする位、
体のアトピーの跡がなくなりました。
手荒れもなくなり、念願の陶芸教室にも通っています。
ここのお水だけが良いのかは分かりませんが、
やはりお水を汲みに来る方でアトピーが治ったという話は聞きます。
お風呂の水にも使っている・・・なんて方にもお会いしました。
とにかく、私にとっては命の恩人くらいに大切で欠かせない水になりました。
アトピーは本当につらい病気です。
それがここまで良くなったので「命の恩人」と言っても過言ではないと思っています。
そんな欠かせないお水が、この「守る会」の方々の他、
多くの人々の力によって復活・再生した事本当に感謝しております。
これからも大切に使わせていただきたいと思います!

Vol.18
スタンド式アイロン台

2004.03.08
家事仕事の中で、最も苦手なのが、アイロンかけです。
洋服を買うときは、なるべくアイロンかけしなくていいもとを
・・・と心掛けている位、苦手な事です。
友人家族とお互いの家でホームパーティーを開くのですが、
夜通し飲む事も多いので、パジャマパーティーになります。
すると、友人夫婦はいつもノリのきいたおろしたての様なパジャマを着ているのです。
「もしかして、パジャマもアイロンかけているの?」と恐る恐る聞いてみると
「あたりまえよ」との事。私も、こんな奥様がほしい!と思いました。
何故、苦手なのか?
一番は、アイロンをかける時に、アイロン台とアイロンを押入から出し、
セットするのが億劫なんだと思います。
洋服はいいにしても、ハンカチはアイロンをかけないと・・・
アメリカのドラマか何かで、扉を開けると造り付けのアイロン台が出てくるシーンを
みた事を思い出しました。
造り付けとまでは言わずとも、そこにあっても違和感のないアイロン台はないだろうか?
と考え、インターネット等で探し、スタンド式のアイロン台だ!という結論に達し、
早速、買いに行きました。
吹抜けを見下ろす事の出来る位置に置き、今では楽しくアイロンかけをしています。
Vol.19
旧開智学校

2004.03.15
旧開智学校は、松本城の北に位置する、明治9年建築の小学校で、
国の重要文化材にも指定されており、建築様式は東京大学の前身である開成学校などを
参考にしたもので、和洋混合の擬洋風建築です。
(開成学校ではなく、棟梁の息子が通う東京医学校本館を模範にしたのではないか
・・・という説もありますが)
この建物は、文明開化を象徴する擬洋風建築の代表作で、唐破風の下にエンゼルが舞い、
瑞雲の彫刻を施したバルコニーの下には竜の彫刻を配し、
屋根の上には八角形の塔屋が設けられています。
また、輸入した高価なガラスや色ガラスが使用されており
「ギヤマン校舎」と呼ばれていました。
開智の校名は『学制序文』の「人々…其身ヲ修メキ才芸ヲ長スルハ
学二アラサレハ能ハス」から命名されたといわれています。
90年もの歳月にわたり、市街地の中央を流れる女鳥羽川のほとり(現中央2丁目)に
ありましたが、河川改修のため昭和38年1月から翌39年8月にかけて、
現在地へ移転し保存修理されました。
現在は博物館として、明治から昭和の教育資料を保存・展示しており、
昨年は40周年を迎えたそうです。
旧開智学校の南に、現在の開智小学校が建っております。中へは入った事がないのですが、
今春この小学校へ娘さんが入学する友人は、
「中も雰囲気があっていいよ。特に図書室!」と言ってました。
何かの機会で入ってみたいのですが、小学校に刺股(さすまた)が置いてある時代ですから。
Vol.20
悲しい時・・・

2004.03.22
「悲しい時・・・誰かが死んだ時・・・」が現実のものになってしまいました。
3月17日の深夜に、主人の祖母が亡くなってしまいました。享年87歳。
家族になって、たった8年しか経っていませんが、本当の孫の様に可愛がってくれ、
大好きな祖母でした。ご冥福をお祈りいたします。
今日のコラムは、短くてスミマセン・・・
inserted by FC2 system